今の日本に戦略的思考はないのかもしれない。30年後、さらに言えば50年後に一体、日本はどういう国家になるべきなのかという議論はネットを見ていてもテレビを見ていても見受けられない。

 

 

 

国家の行く末を変えることはできないかもしれないが投資家の方々にアドバイスできると思ったことは2つ。

 

戦略の基本は兵隊の生命を大事に扱うことにあります。勘定高くいえば、国民の血税でつくった軍隊をなるべく減らさないようにしながら戦争に勝つのが、戦略の極意です。

p258より引用

 

「兵隊・軍隊」を現金と置き換えて読んでみると投資家に役立つのではないだろうか? つまり現金を無駄にしてはいけない。私の友人の投資家で不思議な人がいる。服も買わないで色々と節約しているのだが、そのお金を株式に突っ込んでいる。株式を買うのはいい。問題は財務も何も知らず高配当な銘柄をただひたすら買っている。しかも1つの銘柄に1,000万ほど注ぎ込んでいる。うまくいく可能性もあるが、それはもはやギャンブルだ。

 

資金を無駄にしないように気をつけて買うのであればインデックスを積み立てる、市場が暴落時しオッズが自分に有利なときに投資する、投資先を分散させる、と色々思い浮かぶ。戦略の基本に従えば決して投資家は資金を無駄にしてはいけない。

 

 

 

日本人はいざというときの備蓄も、宝石も、貴金属もなく、地下室にはじゃがいもの買いおきもないという、フランス人やイラン人やドイツ人から見れば身の毛もよだつような危い状況にいて、国家、社会だけを信頼しているわけです。

p269より引用

 

これは日本が周りを海に守られているために他国に侵略された歴史が非常に少なかったことが影響しているらしい。あとは治安が良く危機が起きると助け合う精神もあるかもしれない。いずれにしろ重要なことは万が一に備えて自分で備蓄を備えることだ。最低でも水と乾パンは1ヶ月ほどは備えておきたい。私は何かしらの最悪の事態を想定して現物のゴールドを保有している。すべてを失ったときの保険だ。

 

この本を通じて著者が伝えたいことは実は自助自立なのかもしれない。もはや国や会社が面倒を看てくれる時代はもう終わった。