私は山本勘助が大好きだ。片目が見えず足は跛行で手の指は揃っていない。色黒で髪の毛は薄く、背は低い。その醜い姿が故に全国を行脚し雇われ先を探したがどの戦国武将も召し抱えることはなかった。しかしながら武田信玄だけはその実力を見抜き家臣にした。なぜ武田家はこの醜い男を召し抱えたのか? 

 

武田家の家訓にはこうある。人は城、人は石垣、人は堀。つまり武田家は人の才能を第一に考えていたからだ。どこの戦国武将も召し抱えなかった男を武田信玄は破格の待遇で迎え入れたのだ。人生も後半の50歳で召し抱えられた山本勘助の喜びは想像に難くない。そんな彼の本からの引用を1行。

 

''戦いとは拙くとも素早く戦うのをよしとはしても巧くて長引くのをよしとはしない。'' 

 p67より引用

 

簡単にいえば雑でいいからスピード重視で戦い、上手くキレイに戦おうとして長引かせるのはダメだということ。これは実は孫子の兵法の内容だ。勘助の頭の中には中国の兵法書が頭に入っていた。これを投資に応用させるとすると暴落時に買うときは5割、7割の精度でいいから素早く買うこと。底を狙ったりきれいに上手く買おうとしてはいけない。

 

銘柄に関してもどこの企業を買うというよりはどの企業も安い状態なのだから買ってしまう、いずれ市場が落ち着けば株価は復活するのだから。それなのでとにかくスピード感をもって買うということを優先に重要視したほうがいい。

 

確かに暴落時は非常にストレスが掛かってくる。安く買えるはずなのだがどこまで下がるかわからないので色々と考えてしまうことが次から次へと出てくる。それなので精度はあまり重視せずにスピードと実行力を重視する。考えてみてほしい。暴落時にうまく買える人などほとんどいない。暴落など想定している人はほとんどいないからだ。それなので買えるだけでもマシなのだ。中には大量に売ってしまって損をしてしまった人もいる。

 

私は比較的完璧主義の傾向があるのでできるだけスピードを重視して暴落時は行動していきたいと思う。読者の皆様の参考になればと思います。