桜疑惑と立憲主義

 

 晩秋の湖東三山の紅葉は美しい。色づいた木々の葉っぱを踏み分け、長い階段をのぼるとお堂がどっしりと姿を現します。西明寺には、不断桜が咲いていました。桜の花びらは可憐。

ところで季節外れの桜が大きな話題になっています。安倍前首相の後援会が「桜を観る会」を親睦旅行のように利用し、その前夜祭の夕食交流会は、都内一流ホテルで、おひとり様5000円で開催。検察が告発を受け政治資金規正法違反などで捜査に入りました。前夜祭は会費5000円で開催できるはずがないと誰もが思っていました。会費を超える部分を後援会で負担していたことは、公職選挙法違反であり、政治資金収支報告書に記載されてなく政治資金規正法違反にもなります。また、国会答弁でウソをつき続けたことも明らかになりました。森友学園問題でも政府答弁が139か所も間違いであったことが衆議院調査局の調査で明らかになりました。民主主義の土台は、憲法や法律に基づき、議論を重ね、政策決定し検証することが基本です。時の首相がウソをつき、官僚が忖度し、さらにウソを重ねることは民主主義を蹂躙するものです。官房長官であった菅首相にも大きな責任があることは当然です。安倍前政権は集団的自衛権の憲法解釈変更、菅政権は日本学術会議会員任命拒否の法解釈変更などいずれも立憲主義をないがしろにしてきました。

ルールを無視することでは、アメリカのトランプ大統領も引けをとりません。選挙の結果を認めず、ウソの情報を出し続ける姿には呆れます。今、コロナウイルスの感染拡大が止まりません。医療関係者から対策を求める声が上がっています。国民の命と暮らしを守ること、平和な社会を築くことこそ政治の役割です。

「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」(略称「市民連合」)は2015年に発足しました。立憲主義を取り戻し、まともな政治に転換するために、全国で、滋賀県で野党が共闘し政権交代の実現へ力を合わせましょう。