今年の8月15日も夏晴れの暑い日でした。


盆が過ぎたのに酷暑が続いています。


木立の間から名残りの蝉しぐれ、「ツクツクボウシ」が聞こえてきます。


戦後75年、今年も新聞やテレビで戦争を振り返る記事やドラマが企画されました。


戦争を体験した方々が少なくなるなかで戦争の実相を継承することは大切です。


町長に就任したのは、平成16年(2004年)。翌年は、戦後60年。


戦争体験を継承する記念事業を企画し、町が呼びかけ、老人クラブ連合会、遺族会、女性会、地区労、母親大会連絡会などを中心に実行委員会を結成し、「戦争と平和のシンポジウム」「戦争体験を語り伝えるつどい」「戦争の記憶展」などを開催しました。


兵役についておられた方の貴重な話を直接聞くこともできました。


近衛兵(皇居を守る軍隊)であった実行委員の桜本善兵衛さんが「戦後70年には、俺はこの世にいないだろうから、君(役場職員)らがしっかりやってくれ」と言われたことが胸に残っています。


平成18年には「憲法公布60周年事業」を開催。戦後60年を記念し制作された映画「男たちの大和」の佐藤純彌監督に講演をいただきました。


日野駅前の「寿屋」の故前宮正一さんは戦艦大和の乗組員であり、その時、佐藤監督が前宮さんを訪問されました。


昨年2月に佐藤さんが逝去され、「偲ぶ会」に出席。北大路欣也、舘ひろし、中村獅童、反町隆史さんら著名な俳優が数多く出席されました。


映画制作の際、若い俳優の「同じような状況下にあったら戦うのか」という言葉を聞き、佐藤さんは「戦争はしないようにしなければならない」とたしなめられたといいます。


戦争を語る場合、3つの視点が必要だと思います。


一つは、戦争によって、多くの国民が犠牲になったことです。

ヒロシマ・ナガサキの原爆、空襲、沖縄戦、特攻隊、玉砕など家族や友人が亡くなるなど悲惨な状況になりました。


二つは、加害責任です。

アジアの諸国に対する侵略行為、植民地支配、南京大虐殺などの加害責任があります。


三つは、こうした異常な戦争に突き進んだ軍国主義です。

治安維持法等によって自由や民主主義が圧殺され、モノが言えない国になりました。

こうした経験を踏まえ、平和主義、国民主権、基本的人権の尊重を柱とする日本国憲法を制定し、戦後の歩みを進めてきました。


二度と戦争をしないという誓いをしっかりと守り平和な社会を築きましょう。