ウェストミンスター小教理問答 問13 | 日本人とキリスト教

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■ウェストミンスター小教理問答書を中心として

問13 私たちの始祖は創造された時の状態を続けたか。

 

答 私たちの始祖は、彼ら自身の意志の自由にまかされていたところ、神に対して罪を犯したため、創造された時の状態から堕落した。

 

「私たちの始祖」とは、アダムとエバ、 即最初の人間である。人類は、最初のカップルから堕落したのである。我々はその子孫であることは、特に問16で触れられている。これも人間とは何か?と云う問題、或は世界とは何か?と云う問題を考える時重要であるが、今回はこの始祖の堕落又人間の罪と、神様との聖定との関係について考えてみたい。問7及び問8によれば、この始祖の堕落も個々人の罪も神様が定め計画しておられたことになる。それは決して間違いではない。まさにその通りなのである。神様はそれだけ絶対主権者であるのである。神の御名はほむべきかな!しかし、間違ってはならない。それは確かに永遠のうちにおける神様の聖定である。又摂理のみ業である。しかし、神様は、人間の心に働きかけて、罪に誘ったりは、決してなさらなかったし、今もしていない。(1) 始祖は 「彼ら自身の意志の自由」によって、神に背いたのである。道義的責任は神様にはなく、我々にある。道義的責任を神様に転嫁しようとするのは、我々の良心に反することであるし、宿命論を形成する。(2) 我々の責任の回避である。それではなぜ神様は、始祖に自由意志を与えられたのだろうか。自由意志さえなかったのなら堕落することはなかったであろう。人よ、あなたは何と云うことを神様に云うのか。あなたは、自分の愛の対象が、強制的にあなたを愛する(それはもはや愛ではない)ことを求めるか。それとも自発的にあなたを愛することを求めるか。神様は人間をご自身の愛の対象として、造って下さったのだ。それだから、神の愛を拒む人間の罪は大きい。

 



(1) cf. ヤコブ1:13
(2) 「神の決定なら仕方ない」等々。