「術中にはまる」

 

あの奥羽山脈の中央位あった「なぎなた峠」

汗をかきかきたくさんの荷物を載せた自転車を引っ張り。

 

 

 

超えて自転車に乗れば後は山形市内に向かって自転車を走らせるだけ。

ペダルをこがなくても自転車はスイスイ。

北島選手じゃないけれど「チョウ、気持ちいい!」

その時あるものが欲しくなりました。

「なんだと思いますか。」

「それは冷たい飲料水。」

探せどもそんなものありません。

 

10分、20分、30分ペダルをこがずに探すのですがここは奥羽山脈のど真ん中。

「あるはずがありません。」

しかし、ある程度下ったところに茶店らしき建物があったんです。

そこで品のいいおじいちゃんが赤ん坊を背負って子守をしていました。

「いや、ご苦労さん疲れたでしょう、ゆっくり休んでください。」

「ばあさん、お茶を持ってきて!」

老夫婦で切り盛りしているんでしょうか。

 

奥さんが運んでくれた麦茶をゴックん。

御言葉に甘えて茶店もどきの長椅子に腰掛け疲れを癒します。

〈ドっから来たの?〉

から始まりいろいろ話が始まりました。

おじいさんは「なぎなた峠」を越えてくる旅行者と話がしたくて、

退職金をつぎ込んで、茶店を立てちゃったそうです。

元学校の先生で旅人と話したい。

『こんな生き方をしている人がいるなんて』びっくりぽん。

 

実家の方ではさかづくり。インターネットの販売で収益を上げる。

孫の面倒を見ながら趣味を広げている。いろいろ話をしていただいて「鉄魚」を見せてもらった。

 

生まれて初めて見る魚は何か違うんです。フナと鯉の間位でランチュウの兄貴のような。

実は尻びれのところが2つに分かれて尾びれをゆさゆささせて泳いでいるんです。

「なんじゃこれは!」

末を芭蕉だったらこれをどう読むかな。

「ゆらゆらと 魚の動きで ひとやすみ」