「あらし」

 

千葉から東京、埼玉、そして福島へ。

今回の旅行は2~3週間の予定で出てきています。

 

 

自転車は旅行中に困ることが多くあります。自分はバイク

と言ってもオートバイにはならないので

そっちの方はわからないのですが、

 

雨、風、雪、雷があるとその状況を判断して続けるか、

その場にとどまるか考えます。

雨も弱いのであれば乗ります。

怖いのはみんなですが、特に台風は複合的なことを考えます。

 

 

川の増水、土砂崩れ、ですね。

どこにテントを張ったらよいのかは考えます。

 

福島に入り雲行きが怪しくなってきました。

公園の芝生にテントを張り、体を休めます。

テントは小ロープで張り、アンカーを打ちそれにつなげます。

 

天気予報は随時、情報として入れていかなくてはなりません。

自転車に乗っていてどうやって情報を入れると思いますか。

それは、スマホではないんです。(当時は持っていません。)

 

それはポケットラジオなんです。

夏休みでの旅行は高校野球を聞きながら、

自転車に乗っています。

春休みは高校野球ではなく。

学年末、学年初めの片づけや準備に取られ旅行自体長くは取れず、

旅行自体日帰りの旅行くらいです。

 

 

 

テントの中は狭いのですが我が家です。

そこに寝られるのは充実、幸福です。

疲れていたので寝付きは早かったのですが、

3時ごろに雨音で目が覚めました。

アンカーを打っているのですがそれが飛ばされないか心配です。

小雨ではなく大粒の雨風です。

誰も頼れません。

自分の身は自分で、自分の持ち物は自分で。

 

 

テントを張る場所は、目立たないような場所選びが大切です。

雨風が5時くらいで最高潮に達していきます。

テントは吹き飛ばされ、持ち物はびしょびしょ。

飛び散らないように押さえるので精いっぱい。

身体もびしょびしょ。

 

雨風がやがて、去っていきます。

(風と共に去りぬ・・・・アメリカ映画)こちらはアメリカの南北戦争を

背景に、少女が結婚を3度も重ね、大人の女性に成長する中、

手塩に育てた娘さんを乗馬の事故で亡くします。

女性の一生を美しいタッチで映し描いています。

 

私はびしょびしょ国道を北上します。

 

台風一過は青空です。日差しが厳しいんです。

はだがよわいわけではないのですが、サンダルの間、ハーフパンツの

足先、腕、顔はたった1日でまっくろくろすけなんです。

芭蕉は各地で俳句の仲間たちに歓迎されたとあるから、

そこに何日も逗留したことでしょう。

自分はどんどん国道を上がり乗っていきます。

ある町の図書館のわきに自転車を停めました。

 

地元の人にコンビニがどこにあるのか聞いてみました。

すると面白い返事が返ってきました。

何だと思いますか。

それは駅の周りにそのようなお店は

作らないと町の方針で決めたそうです。

 

 

 

普通だと集客や利便性が優先していると

思いますがそうではなかったんです。

駅から自転車で15分くらい離れているとのこと。

場所を聞き聞き、

夕食になるお弁当を買いに行きました。

そのようなことは初めてだったんです。

いろいろな考えがあるもんだな。

 

テントを張ります。風がほとんどないのですが、

パンツ一つでテントの上に着ていた服やズボンを

干します。他にはビニールに入れてあった地図です。

1枚1枚雨でくっついているので切れないように

テントの上に干します。

ただいま夜中の10時くらいです。(あたりは月明かりでいい感じ)

 

 

台風の過ぎ去った後の夜空は、

月が輝いて星欲しがピカピカ光っています。

夜は台風の雨風騒ぎで疲れていました。

干してあるものはそのままにしてぐっすり寝ました。

そんなときって俳句が作りやすいのかな。

 

『たいふうが すぎてしぜんの つめのこす』

 

芭蕉はもっとわかりやすい俳句を作ったんじゃないでしょうか。