英語が話せるうれしさ

 

朝早く起き自転車を走らせます。

白い波間の海岸線を左に見て、南へ進めます。

午後に大きな街に入りました。蘇澳の街です。

走っていると「民宿」の看板が目に入りました。

小学校のところで自転車を停め宿泊の交渉です。

 

 

 

最初の民宿は、安くて若者に人気のようです。

入っていきます。

声をかけます。

返事がかえって来ないのです。

20分くらい待っても来ないんです。

家の中にいる犬には吠えまくられるし主人は来ないし。

 

2件目の民宿に声をかけます。

返事がありました。

しかし、「今日は営業していない。」

「斜め前の民宿にきいてください。」

と案内されました。

お礼を言って、3件目に向かいます。

ご近所なんです。

 

3件目の民宿は、初めに気が付いていたんです。

しかし店の前で、お札を燃やしているんですおじいさんとおばさんが。

この時期はお盆です。

亡くなった方のために入り口に豪華なごちそうをお供えするんです。

それ以外に、お札(偽の印刷したもの)を簡易焼却炉でバンバン燃やすんです。

ご先祖のために、どの家でも競ってやっているんです。

それをやっていたからなんです。

 

3件目の民宿に挑戦。

おばさんは私の格好を見るなりかなり興奮した口調で、

受け入れてくれたんです。

300元。

(後で知るのですが、これは1500円くらいの安さです。)

「ボードにメッセージを書いてください。」

 

 

英語と日本語で

「感謝の気持ちと台湾を1周する予定です。日本から来ました。」

部屋に案内されました。

5つベットが置いてある部屋を1人で使うこと。

シャワー、トイレ、洗濯機の説明を受け一休みです。

自分が一番だと思っていたところ、自分が2番目だと思っていたところとは裏腹に、

3番目にお願いしたところが、今回の旅行で思い出になってくるんです。

不思議ですね。

一休みしてから外に食事に出ようとしたら、

その簡易焼却炉で、お肉を焼いていました。

「外で食べずに、ここで食べていきなさい。」

「そこに座って。」・・・

「ええっ、いいんですか?」

 

 

 

 

そこから至れり尽くせりの接待を受けます。

分厚く切ってよく焼けた豚肉を、サンドでいただきます。

1つでお腹が一杯になるのを2つ3つ出されます。

具のたくさん入ったスープ。

ご飯まで。

そのときおばさん(女主人)の義理のお兄さんが同席していました。

(日本の俳優に例えると、渡辺謙みたいな・・・)

 

 

英語が話せるんです。いろいろ話が弾みました。

「旅の目的」、

「旅の期間」、

「どこから来たか」、

「年はいくつか」、

「食事は美味しいか」。

そして昔の話をしてくれました。

「昔日本人が台湾に来て、街を作った。」

「道路を作った。」

「駅を作った。」

「学校を作りそこで日本語を教えていた。」

「この道もその小学校もみんな日本人が作った。」

「1945年を境に日本人はみんな日本に帰ってしまっ

た。」

 

 

 

「私は仕事の関係で、日本人と話す。」

「英語を使って話す。」

「今日本語を話す人は少ない。」

などと、たくさんの話を親身になって話されていた。

 

「これから夜店を案内してあげる。」

ヘルメットをかぶりバイクの後ろに乗らせていただく。

民宿からちょっと離れたところに、

屋台というか色々なお店が軒を並べて商売をしているんです。

曜日によって、場所が違うそうです。

300m位道の両側にびっしりお店屋さんです。

お祭りの夜店のほか生活物資がたくさん持ち込まれています。

(面白いな。日本ではないな。)

衣料品があったり、ジュース類も南洋独特のもの。

ドラえもんのメリーゴーランドも置いてあり子供が楽しそうに乗っていました。

全席6席のミニですが。

 

 

次にバイクで向かったのがなんと温泉だったんです。

最初はわからなかったんですが、

地下に入って行ったらたくさんの人が裸で入っているんです。

しかし湯気は出ていません。

なぜだと思いますか。

そこは温泉なんですが、

温度が20度前後で冷たいんです。

日本では温泉と呼びませんね。

確か冷泉と有りました

暑い暑い台湾にあっては熱いお湯より

ヒンヤリ体を冷やしてくれる冷泉のほうに人気があるのかな。

 

 

若者がいきなりふろの中で飛び込みました。

それを見てマナーが悪いな。と瞬間思いました。

「お風呂に入るか?」

と矢継ぎ早に聞かれたので

「ノー!」

と答えてしまいました。

 

 

いつも自分は子供たちに、

「経験することが大切だよ。」

と話しているのに、矛盾していますね。

温泉はあったかいイメージがあって…、

マナーを守れない人を見るとちょっと引いてしまいます。

せっかく案内していっしょに風呂に入ろうとしてくれた

お兄さんに対して申し訳なく思いました。

宿に戻り、感謝を述べ握手をして部屋に入りました。

日本人の自分に対し、夕食に誘い、夜店を案内してもらい、

お風呂にまで案内され、お酒も進められました。

(普通こんなことはないと思う。

お決まりの観光コースは日本人だらけ、

だけれどほとんど日本人がいかないところもあるんだな。)

 

お兄さんと固い握手をして別れました。

話はすべて英語でした。

人を迎える優しさ、

その人たちの心の温かさを強く感じました。

 

 

 

追伸・訂正

東海道の予告編の中で、日本航空航空と衝突したのは自衛隊と表現しましたが海上保安庁の飛行機でした。間違えました。間違いを記録するとともに、すいませんでした。改めて救援に向かおうとした職員のご冥福をお祈り申し上げます。