「たいへんだ、大変だ!」

   (シベリア鉄道には名前がついています)

 

「やった。ようやく駅にたどり着いた。めでたし。めでたし。」

 

 

けれどもそのあとに、大きな災難が伊妻を待っていた。

「何?何?何?」

自転車を駅の待合室のわきに鍵をかけ置き、駅の探検です。

しかし荷物(バッグ)はロープでくくりつけてありました。

 

 

小雨降る降るプラットホーム、

ハバロフスク駅、反対側にある建物はフェリィーの駅です。

 

男女が一つの傘でベンチに座り、いい感じです。

正面にはロシアの駆逐艦、赤十字の旗の付いた病院船の2隻が停泊しています。

思わずシャッターを切りました。

(何か絵になる光景です。)

 

次に駅の待合室で列車の時刻表を確認し

ゆっくりベンチに休み腰かけていました。

(大騒ぎになっていることも知らず。)

 

 

自転車を離れて約2時間、小雨降る中戻ってみました。

すると建物の中から警察官が飛んできました。

 

「この自転車は、あなたのものですか。」

「ちょっと中で、話を聞かせてください。」

要する荷物の中に爆弾があるのではないか。

テロの容疑者として嫌疑がかけられ職務質問、

それだけでなく任意同行。

警察官詰め所で旅券、イーチケットなど次々にコピーを取り

旅行の予定を聞かれました。

嫌な予感が漂います。

 

その時に一番に思ったのは、

ハバロフスク駅発のシベリア鉄道2等寝台

指定席に乗れるかどうかです。

(無理かもしれない。間に合わない。)

 

 

全部で5人、立場のちがう警察官に時間差で質問されました。

でも、話をするにしたがって、表情が緩んできます。

それは「イーチケット」の中に、

ハバロスク、ウラン・ウデ、モスクワ、

パリ、ロンドンまでの列車の予定と

泊まるホテルが入っていたからです。

そして話に、「列車に乗り遅れては大変。」

 

 

       (日本語を習う中高生たち)

 

そこで無罪放免ではなくて、自転車を持って駅で

荷物の中身の検査です。

構内にあるローラーのある

手荷物検査場の荷台に乗せエックス線の検査です。

係りの方が、にこやかに大丈夫のサインをくれました。

 

警察官も納得の表情でそこでようやく警察の方と別れました

(その節はお騒がせしました。ありがとうございました。)

 

いきなりですが私の好きな太田裕美さんの

「さらばシベリア鉄道」を載せます。

 

(この曲は行く前に何回も聞いて

シベリア鉄道のイメージを膨らませていました。)

これは恋歌だよね。

実際乗って恋歌が歌えるのだろうか。

楽しみ!

 

(うむ。うむ。)

 

「さらばシベリア鉄道。」 

大滝 詠一 作詞

哀しみの裏側に 何があるの

涙さえ凍りつく 白い氷原

誰でも心に冬を かくしているというけど

あなた以上に冷ややかな人はいない

 

伝えておくれよ12月の旅人よ

いついついつまでも待っていると

 

君の手紙読み終えて切手を見た

スタンプには ロシア語の小さな文字

一人で決めた別れを

責める言葉探して 不意に北の空を追う

 

伝えておくれよ12月の旅人よ

いついついつまでも待っていると

 

この線路の向こうには何があるの

雪に迷うトナカイの 哀しい瞳

答えを出さない人に ついてゆくのに疲れて

行きさえない明日に飛び乗ったの

 

伝えておくれよ12月の旅人よ

いついついつまでも待っていると

 

僕は照れて愛という言葉を記すがうこと

君は近視 まなざしを読み取れない

疑うことを覚えて 人は生きてゆくなら

不意に愛の意味を知る。

 

 

予想もしなかったトラブル。テロの容疑者として任意同行。

英語がわかる警察官とやり取りしていたんです。

発車時刻に間に合ったかに見えたんですが、

予想もしなかったトラブルが次に起こるんです。

 

次回こうご期待です。