約2年前、私は娘に娘を小さな頃から高校(娘の高校の学食に勤めていた)まで
がガンになったこと。
を認めてから1年後の我が家の近況をLINEで伝えた。
娘のことを小さな頃からずっと可愛いがってくれた人の病、父の【心の不貞】による家庭崩壊の危機もあったけど、今はなんとか家族3人で生活しているよ。
両親の恥ずべき行動で、迷惑をかけてしまった娘に安心してほしい一願で送ったLINE。
でも、娘からの返信は予想外のものだった。
『ママ友さんのことは気の毒だと思うけど、近況報告とか求めてないから。
何かあれば連絡するので心配しないでください。』
私は娘に何を言われたのか?しばらく理解できなかった。
娘にすれば小さい頃は覚えていないとしても、さすがに高校の3年間学食でママ友と何十回も顔を合わせ言葉を交わしてお世話になった人が、今は体も心も蝕まれてしまう病になっているのに、
『お気の毒だと思うけど』
という一言。
これが私の二度目の娘への失望だ。
このLINEから1ケ月後
娘は私にだけでなく主人のLINEに対しても
『迷惑なのでLINEしないでください。』
だから、私も主人も娘にLINEすることは一切なくなった。
『何かあれば連絡します。』
と言った娘だが、転勤時は私の母に電話で
『転勤先、お母さんに伝えておいて。』
私と娘と同じグループ会社に勤める主人は、娘の転勤先をそのように知った。
『近況報告とか求めてない。』
と言った娘に私や主人が転勤のことについて娘に連絡することはなかった。
だが、昨年の晩秋私の父から
「娘(父にとっては孫娘)が引っ越しするから、スペアキーを俺に渡してほしい。」
正直なところ、またか、と思った。
私や主人ではなく、また私の実家経由の連絡。
とことん、娘は私たちに関わり合いたくないと判った。
スペアキーは車の中。
そして、ちょうどその日主人は車で友人と出かけていた。私は実に2年振りに娘にLINEした。
今手元にスペアキーがないことを伝えるために。
でも、夕方になっても既読はつかなかった。
そこまでされて、やっと気がついた。
あー、ブロックされてるのね…
そこまで拒絶されていると実感した。
返事など一切期待せず、次はメールで今スペアキーが手元にないこと、そして明日おじいちゃん(私の父)に渡すことを伝えた。
数時間後
『わかりました、お願いします。』
すでに大学から帰ってきていた息子が
「へえー、メールは返すんだー。」
2人共冷めた目で娘のメールを見下ろしていた。
主人にメールなら繋がるよと教えた途端、娘が聞かれたくないようなことばかり(近況・引っ越し先等)のメールを送っていた。
私と息子の予想に反して、あっさりと娘からメールが来た。
『引っ越しするから、連帯保証人になってほしい。書類を送るから、お願いします。』
主人だけが娘からの連絡にご機嫌で、私と息子は2年間必要最低限な連絡さえもして来なかったのに、こんな時だけ連帯保証人を頼むなんて都合が良すぎると思っていた。
そして娘から書類が届いた。
それと一緒に娘からの手紙も同封されていた。
そこには
『同棲することになりました。
書類上は婚約者となっていますが、それは同棲相手さんがその形の方が入居審査が通りやすいというだけで婚約はしていません。
あっさりと一人暮らしになる可能性も大いにあります。』
主人と一緒に慌てて契約書類に目を通す。
名義人 娘の名前
同居者 同棲相手の名前 38才 会社員
娘からの同棲相手の情報はたったこれだけ。
さらに連帯保証人を引き受けてもらえるなら、住民票・印鑑証明・実印捺印のお願い。
2年間音信不通だった娘からの連絡は、父(主人)に会ったことも話したこともない人の分まで連帯保証人になるということを意味していた。