2月25日、TBS朝の情報番組『サタデープラス』にて、私が約15年前に「痙攣性発声障害」と診断された経験があると放送されました。

その後、現在もこの病気と戦っていらっしゃる方から、「具体的にどんな治療をしましたか?」と、メッセージをいただきました。

参考になるかどうかわかりませんが、思い出せる事をここに書き記しておこうと思います。


「痙攣性発声障害」と診断された場合は、喉の筋肉に直接ボトックス注射を打ち、筋肉を麻痺させると言う処置が受けられると言う事でした。

医師は私の症状を見て、「痙攣性発声障害とも言えるし、そうでないとも言える」と。

そんな微妙な状況だったのですが、痙攣性発声障害と診断を下してもらえるように先生の質問に無理矢理 “YES” と答えました。

そして、ボトックス注射を打ってもらいました。


すると、キュッと絞まるような症状は多少改善されたのですが、代わりに効果が強く出ると、逆に緩みすぎて、ミッキーマウスのようなかすれたようなスカスカの声になっていました。

しかも、長くとも半年で切れるはずの効果が、一年半続き、その間は声帯がピタッと閉まらず、息が漏れるような感覚でした。

効果が完全に切れた後は、また喉が勝手にギュッとしまるようになり、声は途切れ途切れでした。

また、声はいつも震えていましたが、その状態を放置しておりました。

ひょっとすると、この時点で、もう一度、同じ病院に行くべきだったのかもしれませんが、元々、治療は難しいと言われていた病気だったため、病院には行かずに、自分の力で改善しようと考えました。


このような事が起きたのは『自分』が原因なのだから、自分自身を変えないといけないと。

元々はなかった症状ですから、自分自身が生み出した症状だと考えました。

ストレスやプレッシャーが1番の原因と思われたので、まず、日本の芸能界から離れるべきだと思いました。

そこで思い切って、日本を離れ、全てを捨てて、台湾移住する事にしました。

そうする事で、パソコンをリセットするような状態にできるのではと考えました。


実際に台湾に来てみると、やはり事はそんな簡単ではなく、声を出さなければならない状況になると、プレッシャーがかかり、声の詰まりや震えが発生しました。

声の問題のせいで、結果、思うようにできない。

これが、とにかく、辛かった。

そして、また声が出ないかもしれないと思う不安や葛藤は、自分にしかわからない物でした。


そんな私ではありますが、徐々に症状が改善してきましたので、この15年間で、何かしら良い作用を及ぼしたのではないかと思った事をあげていきたいと思います。


①台湾移住

やはりなんと言っても1番は台湾移住した事。

日本ではNGだった事が、台湾ではOKという場面がたくさんあり、生真面目な私にとっては、台湾のゆるりとした空気感が救いでした。

思うように声が出ない事に加えて、中国語が全く話せなかったため、できないのが当たり前だと感じるように変わって行きました。

何をやってもできないのが今の私、失敗した所で私は何者でもない、と言う状況が自分をプレッシャーから遠ざけました。


そして、湿度の高い空気を吸い込むと、心地良さを感じ、リラックスできた事も大きかったと思います。


②運動

台湾に来てから、アクションを始めました。

ダンスや中国武術を練習し、今まで使わなかった筋肉を使うようになりました。

体を動かし、呼吸をし、汗をかきました。


③鍼治療

筋肉が運動量に追いつかない程、剣舞の練習をしていたため、肘も膝もまるでテニス肘になったような痛みがあり、全身が慢性的な筋肉痛の状況だったため鍼治療に通うようになりました。

そして、様々な医院に通う過程で、ある鍼灸師に出会いました。

人一倍長い鍼を使い、刺した後、鍼をぐりぐり回し、痛いと言うまで、鍼をこねくり回すような治療をするのですが、ここの効き目が凄かったのです。

筋肉痛対策だけでなく、緊張をほぐすために、首や肩、こめかみ、頭などにも施術してもらいました。

20代に入ってから、眠りが浅くなってしまったのですが、台湾生活3年目くらいになっても、寝ても1〜2時間おきに目が覚めてしまう状態でしたが、そちらの鍼治療を受けた晩は睡眠の質が上がりました。


④ノニジュース

台湾に来て、3年目くらいから飲み始めました。

声が出なくなったタイミングと時を同じくして、ちょっとしたことがキッカケで、すぐに心拍数が上がり、心臓が口から飛び出そうなほどの緊張状態を、1日に何度も経験するようになりました。

ですが、毎朝飲み続けると、普段の心拍がゆっくりになり、驚いて飛び上がるような事がなくなりました。


⑤マッサージ

日本にいた頃は、マッサージ師から、こんなに鉄のように固いのではマッサージにならないと言われました。

①〜④までの流れがあり、ようやくマッサージが効くようになって来ました。

マッサージをした日は、睡眠の質が上がりました。


⑥鼻洗浄

去年、日本で耳鼻咽喉科に行きました。

花粉症で炎症がひどかったため、内視鏡検査を行うと、上咽頭炎になっている事が発覚しました。

Bスポット治療(上咽頭擦過治療 EAT)を行い、治療後に声の出しやすさを感じました。

また、エアコンの風が当たると、すぐに喉がイガイガしたり、乾燥感が人一倍強く、加湿器を使い過ぎたりしていたのですが、自宅で鼻洗浄を行うようになってから、乾燥感が激減しました。

子供達の風邪が移っても、鼻洗浄のおかげで軽症で済みます。


以上、これらの6つの事が、プラスに作用したかな?と思っております。

そしてここから、思いもよらぬ展開が待っていました…


去年、日本で耳鼻科に行った際に、医師に15年前に痙攣性発声障害と診断された事、ボトックス注射の効果が一年半も続いた事、また、お酒を飲んで酔っ払うと声が出やすくなっていた事を話すと、「もしかすると、痙攣性発声障害ではなく、過緊張だったのかもしれない」と言われました。


過緊張だった場合、状況次第で良くなったり悪くなったりするようです。

半年で切れるはずのボトックス注射の効果が1年半も続いてしまった説明もつくと。

Bスポット治療も、過緊張に対しては効果的なようです。


そんなわけで、これまで書いた私の経験は、痙攣性発声障害の方の参考にはならないかもしれません。

ですが、発声障害があるないに関わらず、ストレスを受けやすい方や敏感な方、眠れない方、お酒をよく飲む方、いびきをかく方、何故か調子が悪い方、風邪をひきやすい方、後鼻漏の方などは、一度、上咽頭炎の検査を受けてみても良いのでは?と思います。


そして、鼻洗浄は、どなたに対してもオススメです!

私が現在使用しているのは、コチラ。

 ↓


ここで、どうして台湾が肌に合ったのか、自分の中でようやく合点がいきました。

私はきっと以前から上咽頭炎を患っており、湿度の高い台湾で生活する方が、呼吸が楽だったのだと思います。


もちろん、台湾の方々の優しさが救いになった事に間違いはありません。

私が困った時に助けてくださった見知らぬ台湾の方々に、今でも “あの時は、ありがとうございました!” と言いたいくらいです。


そんな、台湾の方々の優しさについては、また別の機会に投稿しますね。