サントリーホールでロリンマゼールさんでニューヨークフィルの演奏会を聞いた時、
Glenn Dicterowグレンディクティロウさんのソロから始まる曲が演奏された。
グレンさんは、ヴァイオリン一挺でサントリーホールの大ホール隅々に音が満ちて、
なんであんな音が出るんだろうなと感動した。
でも、がなりたてるような音じゃなくて、
バイオリンがバイオリンとして鳴るべくして鳴る音がちゃんと響いている音だった。
山本浩一郎さんが、
一番難しいことは、みんな同じ音を出すことだと言っていたのだけれど、
本当にいいサウンドは、どんな大きさでも、
誰も誰の音も邪魔しない
澄んだ共鳴する音が出る筈なのではないかと考えている。
自分の音が聞こえないとき、
モニターするのに音圧、ボルトといったら良いのか、ボルトをあげて聞こえるようにする
人が多いような気がするんだけど、
自然な澄んだ音は、そういう音じゃなくて、
聞こえないならいっそのこと、
ピックアップできるマイクと、モニターできるイヤホンをつけた方が
出したものが品質が低下しなくていいのではないかと
思うことがある。
実際、何回かICレコーダーを自分の楽器にテープで貼って、
イヤホンで自分の音を聞きながら演奏したら、
周りの人がいいサウンドで吹いてくれたことがあった。
たぶん、自分の音がモニターできて、いい音がしていたので、
周りの人も落ち着いたトーンに合わせてくれたように感じた。
その時、一緒にいた同じ楽器の人はタンギングにトラブルを抱えていたんだけど、
全く問題のない発音で吹いてくれた場所が多くあった。
本当にいいサウンドは、
誰も誰の音も邪魔しない
澄んだ共鳴しあう音がするはず。