映画「ブラック・スワン」を観ました。
もう、精神のホラー映画って感じでした
バレエのプリマを目指して
ストイックに練習を積んでいた主人公ニナ(ナタリー・ポートマン)。
それまでのプリマが
半ば強制的に引退をさせられ、
次の「白鳥の湖」の主役を射止めますが、
真面目で優等生すぎるゆえでありましょう
奔放で貪欲な黒鳥を、
監督の希望通りに踊れず
どんどん自分を追い詰めて行きます……。
母親もプリマを目指していたのに、
娘を妊娠した為に諦めた、という思いがあり
なおのこと、二人三脚で歩んできた姿も垣間見られ
あまりの共依存ぶりに、
観ていて息苦しくなります。
強度のストレスからでしょう
無意識のうちに、身体を掻き毟るチック症状も出ているし、
リアルな妄想も見るようになります。
気さくでセクシーなリリーが代役になると
役を奪われると脅迫観念に駆られたり……
本人の心の中での受け取り方で
ひとつの現実はこうも変わる、
というのを見せられる部分もあります。
真面目であるからこそ、
そしてきっと
教科書的に演じられるからこその悩みであり苦しみ・・・。
多分これは、
ここまで大きく深刻ではないにしろ、
いろんな人がいろんな姿で
抱えている闇のように感じました。
私自身も、
真面目さこそが美徳のように育てられましたが、
今では、ほんとなんであれ、
偏りすぎているとか
それだけではダメなのだということがすごくわかるけれど
幼少期からそれしか知らずに過ごすと、
結局、すごく深く悩む時期も長かった……。
もちろん、私はニナのように
何かに徹底してがんばった経験とかはないけれど
観ていて感じる息苦しい感じは、
自分のかつて持っていた部分を
思い出すからではないかと思いました。
しかし、妄想があまりにも高じることで
黒鳥を素晴らしく演じることが出来るのです
その辺、とっても映画らしい
後半、盛り上がる盛り上がる……。
ナタリー・ポートマンはすっごくがんばって踊っています。
ただ、私はバレエのことは詳しくないので勝手な感想ですが
ほんとうのプリマとは、
次の動きへ繋がる間のようなものが
多分、違うのだろうな~と感じました。
やっぱりなんか、ここで手を上げるとか、
そんな感じで動いているように見えてしまう……。
まあ、何もバレエのことを知らない者の感想です
スリリングな心理劇として
非常に興味深く面白いのですが、
ほんと、ある意味、
自分を追い詰めるのは
自分自身でもあるというのを見せ付けられる
恐ろしい映画であり、
非常に興味深い作品でした。
今日捨てた物。
ハンガー 1
今までありがとう!