昔、美術館で仕事をしていた時
視覚障害の方々の鑑賞プログラムを皮切りに
聾学校や養護学校の生徒さんと
協働制作プロジェクトを運営していました。
障害を持った方々と
アートをどう捉えていくか
教えるのでも伝えるのでもない
感じる…
伝わる…
それってどういうこと?
ずっと考えさせられる毎日でした。
普段の生活では経験できないこと
見たことのなかった世界
新しい体感
間違いなく私の世界を広げてくれた数年間。
アートに対峙したとき
誰が上とか下とか
教師とか生徒とか
大人とか子供とか
そういった区別はあまり意味がなくて
とことんまで自分の心のうちを感じる
そんな鑑賞セッションを重ねるうち
物事の捉え方が深くなっていった気がしています。
高齢化社会が進み
ケアという言葉もあちこちで
見かけるようになりました。
誰しもがいずれケアを必要とするなら
ケアする人もケアされる人も
境はないとも言えます。
境の代わりに何かがあるとしたら
差別やハードルや壁ではなくて
ひとつながりに流れている時間。
皆が気持ちよく暮らせるということは
自分だけではなくて家族も友人も
気持ちよく暮らせるということ。
他人事ではないと思うのです。
モノも空間も人も
境なく考える訓練ができたら良いし
もっとたくさんの人が
学ぶ機会が必要です。
大学の公開講座でも
美術館のワークショップでも
施設のボランティアでも
たくさんの刺激を与えてくれますね。
今すぐに活用するとかしないとか
そういったことはさておき
経験を貯めることがとても大切。
後でじわりと効いてくるのです。
かくいう私も
障害者アートプログラムを運営した10年後に
全盲のご夫婦の住まいを
手がけることになろうとは
夢にも思いませんでした。
詳しくはまた別の記事でお話しします。
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