カイロよりチャーターした車で、一路シナイ半島南端にある「シナイ山」を目指す。
キリスト教の聖地であるシナイ山に登頂し御来光を拝むのが今回の目的だ。
いざ出陣!
渋滞のカイロ市内を抜けた車は地平線まで見渡せる砂漠の中の道を行く。
鼻歌混じりにドライバーは調子良く飛ばす。
グングン飛ばす。
飛ばす。
グングン飛ばす!
グングングン飛ばす…!
「おいっ!どこまで飛ばすんだっっ!!!」
砂漠の中の一本道、ドライバーは悪路を物ともせず、時速150㌔のハイスピードでシナイを目指す。
生きた心地がしない。
今走っている道は一般道であり、決してハイウエイでは無い。
対向車が来てもアクセルを緩める事は無い。
このハイスピードではわずかな窪みも大きな落とし穴のように感じられる。
ギャップの度に僕の体は宙に浮く。
その昔、モトクロスの経験がある僕が初めてスピードに恐怖を感じた瞬間だった…。
道中、検問が何度もあった。
隣国イスラエルはすぐそこである。
数日前までの戦争状態を彷彿させる光景だ。(2006年8月です)
日本の検問とは緊張感がまるで違う。
機関銃やライフルを持ったアーミーポリスが近づいてくる。
またしても生きた心地がしない…。
しかしそこは手馴れたドライバーの手際よい応対で無事にクリアできたが、そろそろシナイに来た事を後悔し始めていた…。
午前0時30分、暴走ドライバー率いる軟弱日本人ご一行は、目的地であるシナイ山登山口にある小さな村に到着した。
生きてて良かった…。
シナイ山。
標高2285m、ほとんど木々が生えていないこの岩山は、旧約聖書にてモーセ(モーゼ)が神から十戒を授かったとされる山です。
現在では熱心なキリスト教徒が巡礼に訪れる有名な山です。
深夜到着した僕は、麓の小屋で仮眠を取り、眠い目を擦りながら登頂をはじめました。
ここからはシナイ山専門のガイドが道案内をしてくれます。
ガイド無しでは入山禁止とのこと、なんとも大袈裟だなぁと思いながらも真意は後になって理解しました。
真夏のエジプトと言えど深夜の山は冷えます。
瓦礫だらけの登山道には何も明かりがありません。
頼りになるのは月と星明りのみ。
ちょっと目が悪い方なら足を踏み外して転んでしまいそうです。
おまけに道なのかただの岩が平らになっているだけなのかという所を延々と登っていきます。
さすがにこれを一人じゃ危険すぎると、ガイドさんに感謝です。
そんなこんなで山頂に到着。
御来光~!
なんとも、ここまで必死で登ってきた苦労が報われた思いです。
明るくなったので周りを散策。
とっても商魂逞しい方々ですね…。
山頂の絶景を堪能し、下山。
明るくなって改めて危険を感じました。
でもこれはまだちゃんと道になっている所なんです。
何年ぐらい前からあるのでしょうね?
さて、ほとんど下山したかと思いきや目の前にいきなり大きな建造物が現れました。
そうです。
あの有名な「聖カタリナ修道院」です。
あ、知らない…!?
この修道院は、正教会(キリスト教の教派のひとつ)の修道院で世界最古のもので、ユネスコ世界遺産になっています。
この修道院に収蔵されている初期の写本や手記は、ヴァチカン図書館に次いで世界で2番目だそうです。
ワシリカやイコン、絵画や聖餐杯など歴史的に非常に重要なものがたくさん保管されています。
世界中にイコンは残されていますが、実は最も古い物はここにあり、初期の作品の拠点になっていました。
ウコンじゃないですよ!
イコンです。
二日酔いにならないようにイコンを飲んでも効かないですよー。
Dice-ket
※写真撮影、写真の貸し出しのご依頼は
fujidai01-photo@yahoo.co.jp まで連絡下さい
風景、建築、インテリア、物撮り、イベント、スポーツ、などなど…
取材等、出かけている事が多いので、撮影のご依頼は早めのご連絡をお願い致します
お気軽にお申し付け下さい
ご連絡お待ちしております (^_^)v