Q:他人のメンタル不調に引っ張られる!




こんにちは。

私は講師業をやっていて、
よく1対1での直接指導を
行うこともあるのですが…

ついつい、相手の調子に引っ張られて
自分の調子を崩すことがあります。



それまでは元気だったのですが
生徒さんの調子が不調そうだと
ガクンと自分の調子も下がってしまって…

そうなるとなかなか
立ち戻ることができません。




どうすれば、メンタル不調を
人に引っ張られずに済むようになりますか。



A:自分の柱をしっかり立てるイメージで




いきなり元も子もないことを言うと
結局はそれって自分の柱がガタガタやから
他からの衝撃に弱くなってるだけ
ってことなんよね。



例えば、それは自信だったり
実績だったり、経験だったり
いろん理屈で立てるもの
だったりするんやけど…


逆を返せば
理屈で立てた自信は
あっさりと倒れることの方が多い。




しかも、よくわからん理由で
あっさり倒れてしまうことも多いんよね。





さて、今回の相談者さんも
「よくわからん理由」で自信をなくす
ケースに近いんじゃないかと思う。





今日は、
「相手の不調で調子を崩す時」
についての話をしてみるな。


相手の不調で調子を崩す時ってな
だいたい、相手の持ってる不調の原因を
自分自身も大なり小なり持ってるから
発生するものなのよ。




人は、全ての物事を通じて
自分自身を映し出す。

現実世界の出来事も全て
自分の鏡でしかないんよな。




せやから、人によって
映すものは全然違うんよ。




ほら、鬱状態を経験したことがあるなら
鬱っぽくなってる人とかみるとさ
なんとなくしんどさがわかるやん?


ところが、それを知らん人はさ
そんな人たちを見ても
「鬱は甘えでしょ」とか「怠け病だよね」とか
思えちゃったりするわけよ。


それは、別にその人を見ても
自分の傷は疼かないから。





全然へっちゃらなんよね。




もっとわかりやすい時は
誰かがめちゃくちゃ怒ってる時。



例えばさ、お店が混雑して
お水持ってくるのが遅れたとするやん?

それに対して、余裕があるときは
「ああ、忙しそうだから仕方ないなあ」
って思えるやろ。




ところが、別の人は
その水が遅れただけで
めちゃくちゃキレだしてる。



「おい!!水が遅すぎる!!!」




「えっ!」ってならへん?

びっくりするやんな。





それは、自分にはわからない
その人の傷があるから
理解できないし、自分には響かないんよね。



ちなみにその人は
真夏の炎天下で工期ギリギリの
土木作業員さんが
お昼を食べに来てたみたいだった。

話聞いてみると
「そりゃたしかにイライラするかもね」
って思えるシチュエーションだったな。


(それでも怒りを口に出すってことは
それ以外の要因も積み重なっとるやろけど
それは今回は置いとくとする)






なんせ、自分の感じられる痛みしか
本当の意味での理解はできないんよねえ。






さて、今回の場合、
誰かが不調の状態で
自分が相手に引っ張られる時ってのは、
実はまだ自分が
《しっかり癒されていない状態》なんよね。




ようやくかさぶた出来てきた傷口。


それを無理やり剥がされる。





「いたた!!
あ、また血が出てきちゃった!」


「うーん、また一から
傷の治りを待たないとな…」


こうして、自分の傷の治りは
どんどんと遅れてしまうのでした。



さて、自分はどうなのか。

今回の相談者さんは、
他人の傷に巻き込まれて
自分の傷が広がってしまった
パターンやんな。


ところが、これが
普通の人でも起こるのよ。


例えば、家族からとか
上司からだったりな。





友達だったら、まだええよ。

だって、それも近寄るか離れるかは
自分で選べるようになっとるんやから。



上司も、まあ転職って選択がある分
まだまだマシっちゃマシよね。


本当にしんどいのは
家族やったりする。

状況によっては
離れるのが難しいこともあるからな。




そうなってくると
その場所にいるだけで
傷が治らないままどころか…

なんならさらに傷を増やされたりも
してくるわけやからなあ。


仏教の「出家」ってシステムは
そういう意味ではよくできてるんよね。




なにが自分を傷つけるのかわからない。
だから、人が、周りが、社会が悪いんだ!

そういう「浅い探求」で
終わらせようとしてしまうと
本当の原因は自分で掴めないまま
終わってしまうこともある。


でも、本当は、
そこが原因ではないのよ。



一度今までの関係性から離れて
一歩離れて自分を見てみる。



そうして、もっと深い、
本音の自分と向き合うと…

全ての争いや不満は
《自分が生み出してる》ことに
気づけるようになってくるんよな。



と、いうことで、
自分との向き合い方を知ることが
一番の近道やったりする。


そうして、自分の持つ傷を
ちゃんと自分で認めてあげる。




心の傷は、
自己治癒能力みたいなのがあるんよね。




ただ、その発動条件は
「きちんと気づいてあげること」
なのよ。

だから、見ないふりして放置すると
ずっと治らないまま。





せやから、その傷をちゃんと
見てあげることさえできれば
どんどんと傷は治っていくんやなあ。