ジオン軍は、突撃機動軍と宇宙攻撃軍という、2つの軍事組織に大きく分かれる | キジバトのさえずり(鳩に執着する男の語り)

キジバトのさえずり(鳩に執着する男の語り)

本家→「知識の殿堂」 http://fujimotoyasuhisa.sakura.ne.jp/

・アニメ『機動戦士ガンダム』に出てくるジオン軍は、突撃機動軍と宇宙攻撃軍という、2つの軍事組織に大きく分かれる。
 劇中で、はっきり明言されていないが、突撃機動軍の麾下(きか)に地球制圧軍(地球攻撃軍ということもある。資料によって、名称はマチマチ)があり、同軍が地球降下作戦を担当している。
 そして、突撃機動軍は、月のグラナダを根拠地にしている。
 つまり、地球や月面辺りの担当は突撃機動軍、それ以外は宇宙攻撃軍が担当している、と解してよい(突撃機動軍が陸軍寄り、宇宙攻撃軍が海軍寄り)
 そこで、宇宙攻撃軍の軍艦旗は、どんなものだったのだろう、と考えると、多分、海軍のものであったように想像される。
 そして、ジオン軍はナチスドイツ軍を模しているので、ドイツ海軍旗のデザインが妥当であろう、との推測が成り立つ。
 宇宙攻撃軍の軍艦旗は、ハーケンクロイツの代わりにジオンのエンブレムが入り、左上に鉄十字のマークがあった、と俺は解釈している。
 最近、俺が作ったゲームブック『機動戦士ガンダム ソロモンの学徒兵』という作品は、宇宙攻撃軍が舞台になっており、その線に沿って、旗をデザインしている。
 ナチスドイツ時代の書籍に載っていた、ドイツ海軍旗をスキャンして、ハーケンクロイツの部分だけを、ジオンのエンブレムに変えているのだ。

*サンライズの公式書籍に、一応、公式設定が載っている。しかし、俺は、それほど、それを重んずる気はない。
 時代とともに、解釈は変わっていっているし、公式設定といっておきながら、各公式設定の間で矛盾をきたしているものが結構あるからだ。
 それに、それぞれのファンが好きなように解釈するのが、『ガンダム』の楽しみ方の1つになっている。
 「俺ガンダム」で、いいと思う。

*航宙艦に軍艦旗を掲げる、というのは妙だけど、俺の中のガンダムでは、ジオン・地球連邦を問わず、観艦式などで軍艦旗が掲げられる――宇宙空間でも旗がなびくようにガスを吹きつけて。
 確か、『機動戦士ガンダムF91』の劇中に、宇宙空間で旗を手にしたモビルスーツがいたはずだ。
 ミノフスキー粒子が散布される「現代戦」なのだから、友軍であることを示す軍艦旗や、手旗信号のやり取りは――言わずもがな、われわれが思っている以上に重要なものである。
 先に紹介した、俺ガンダム作品――
『機動戦士ガンダム ソロモンの学徒兵』では、軍用鳩がフィーチャーされていて、それなりの存在感を醸し出している(実際に、劇中に軍用鳩は登場しないが)
「えっ、今更、軍用鳩で通信するの?」
 と、思うかもしれない。
 しかし、ミノフスキー粒子がまかれた戦場では、電子戦に左右されない鳩通信は重宝されたはずだ。
 俺の中では、1個モビルスーツ小隊よりも、目障りな鳩哨(きゅうしょう)の方が脅威を覚える。
 手持ちのモビルスーツをすりつぶしてでも、敵の鳩哨(きゅうしょう)は真っ先に攻撃しなければならない軍事目標となる。
「ときに、軍用鳩は、1個モビルスーツ小隊よりも恐ろしい……」
 敵の鳩哨(きゅうしょう)をつぶすための危険な作戦に従事する、MSパイロット(ジオン地球制圧軍所属)のぼやきが、俺には聞こえる。