↑数日前に職場の同僚から、『艦これ』のキャンペーンがローソンではじまる、との情報を得ていた俺。
そして、2/16(火)の本日、戦いの幕が上がる――藤本提督直率のキジバト艦隊の出動である。
09:30頃、職場近くのローソンに向かう。しかし、キャンペーン中であることを示す、戦艦・比叡ののぼりが立っていない。嫌な予感がする。
案の定、店内のどこを見渡しても、『艦これ』グッズが置いてない。
あろうことか、2/14のバレンタインデーに合わせたチョコレート各種と、その宣伝ポップが、2/16の今になっても片づけられずにそのままになっている。
「やる気あるのか、この店。ふ・ざ・け・ん・な!」
舌打ちしつつ、店内より急ぎ転進して、とりあえず、高ぶった感情を落ち着かせるために、近くのなか卯に行って、朝食セット(350円)を食す。
11:00頃、地元の駅に到着、さっそく、駅前のローソンに向かう。やがて、店舗前に至ると、戦艦・比叡ののぼりが立っているのが目に入る。
「敵艦見ユ、砲雷撃戦用意!」
勇躍して、艦隊を突入させる。
すると、今ほど店から出てきたとおぼしき、太った腐女子とすれ違う。
「まさか、こいつ……わがキジバト艦隊の敵ではないよな」
彼女にグッズを買い占められている一抹の不安を覚えたが、見れば、『少年ジャンプ』を小脇に抱えて、肉まんをかじっているだけだった。
「ふぅ~焦ったぜ。ただの有象無象だ。脅かすなよ」
絶対に彼氏がいないであろう、歩き食い腐女子に一瞥をくれつつ、店内に入る。
すると、目に飛び込んできたのが、眼鏡をかけた、20代くらいのいかにもな男。
コーナーの一角に立って、その場を占有している。
「ヤツは敵だ。間違いねえ」
この判断は正しかった。彼はまさに、阿賀野型軽巡洋艦の4姉妹――阿賀野(あがの)・能代(のしろ)・矢矧(やはぎ)・酒匂(さかわ)のクリアファイルを物色しているところだった。
しかも、何としたことか、本日からはじまったばかりのキャンペーンだというのに、すでに、軽巡洋艦・阿賀野のクリアファイルが1枚もない。矢矧に至っては残り1枚、能代と酒匂は2枚ずつしかない。
一瞬、恐慌状態に陥るキジバト艦隊。
しかし、ここでくじけるわけにはいかない。20代くらいの、いかにもな『艦これ』提督の背後に回り込んでプレッシャーを与える。そして、彼がその場を離れたのと同時に、能代・矢矧・酒匂のクリアファイル3枚を手に取る。続いて、対象商品であるロッテのチョコレートを9枚、かごに放り込む。
「間に合った」
安堵(あんど)の声を上げる藤本提督。しかし、戦闘はまだ続く。
夜戦突入!
店内を物色する。
「ほかの対象商品はいかに?」
戦艦・比叡と連装砲ちゃんのICカードステッカー3種と、練習巡洋艦・鹿島のタペストリーがあるはずなのだが……。
しかし、両方とも見当たらない。
「くそっ、すでに売り切れたのか。それとも、はなから、この店では取り扱っていなかったのか」
数量限定の『艦これ』グラス&ナタデココヨーグルトゼリー(連装砲ちゃんと、ほっぽちゃん)はあったが、はじめからこの商品は狙っていなかったのでスルーする。
致し方なく、この店では、3枚のクリアファイルをゲットするだけにとどめ、次の目的地に向かう。
11:20頃、駅前からだいぶ離れたところにあるローソンに到着、戦艦・比叡ののぼりが2琉(りゅう)も立っているのを見て、胸を躍らせる。
期待どおり、この店にはクリアファイルとICカードステッカーを取り扱っていた。
ゲットし損ねた、軽巡洋艦・阿賀野のクリアファイルと、戦艦・比叡および連装砲ちゃんのICカードステッカー3枚を、それぞれ、チョコレート3枚とカップ麺6個をあがない、手に入れる。
しかし、この店にも、練習巡洋艦・鹿島のタペストリーは置いてなかった。
「まあ、そうはいっても、まずまずの戦果だ。作戦の目的はおよそ果たした。全艦反転!」
そう決断して、本日の戦闘を終える。