『日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか』(矢部宏治)の読書メモ | キジバトのさえずり(鳩に執着する男の語り)

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■著者は中道・リベラルを自称しているが、明らかにサヨク思想にかぶれている。本文の至るところにそうした主張が読み取れる。
 
■著者がサヨク思想にかぶれている影響からか、各所に論理の飛躍が見られる。日本に米軍基地が存在し続ける理由を、原発問題の核心と同じだと説いているところなどがそうだ。
 幾ら何でも無理がある。サヨクの人たちが大好きな、基地問題と原発問題を同時に語ろうとして、論理性を失っている。
 
■幾つか気になる点があるものの、全体的としては良書。
 日本が真の独立国ではない証拠を具体的に知ることができる。読んで損なし。78点。
 
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・米軍機は米軍住宅の上空を一切飛ばない。しかし、日本の住宅地の上空はお構いなしに飛行する。
 
・平成16年、輸送機オスプレイが沖縄国際大学に墜落したとき、大学に乗り込んできた米兵が立ち入り禁止区域を設定して日本人を閉め出した。
 
・日米地位協定は日本国憲法よりも重い。住人が基地問題で訴訟を起こしても、日本の司法は詭弁(きべん)を弄(ろう)して、これを退ける(高度な政治判断を要するうんぬん)
 
・日本国憲法の前文には、国民自らが憲法を制定するように書かれている。しかし、実際は、大日本帝国憲法を改正して作った欽定憲法である。でたらめもいいところ。天皇機関説で知られる美濃部達吉に批判されている。
 
(*藤本注・もっといってしまえば、国民が作ったものでも欽定憲法でもない。GHQが作った、押しつけ憲法である。うその上にうそが重ねられている)
 
・「内容がよければ誰が書いたなんてどうでもいい」と護憲派は言うが、間違っている。
 憲法は国家権力を制限するものである。自国の政府が作っても認められない。ましてや、占領軍が作ったとすればお話にならない。
 
(*藤本注・物事のはじまりが間違っていたら、それはやはり、どこまでいっても間違いだよね。こんな当たり前のことを護憲派は受け入れない)
 
・フランスの第四共和国憲法第九十四条「領土の全部もしくは一部が外国軍によって占領されている場合は、いかなる〔憲法〕改正手続きも、着手したり、継続することはできない」
 このフランス憲法の考え方が世界的な常識である。