『荒木飛呂彦の超偏愛!映画の掟 』(荒木飛呂彦。集英社)の読書メモ | キジバトのさえずり(鳩に執着する男の語り)

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・エンターテインメントの基本はサスペンスにある。面白い映画には必ず、サスペンスの要素がある。


・よいサスペンス、五つの条件

 よいサスペンス映画は、五つの条件を満たしている(荒木飛呂彦の持論)

1、「謎」
 謎があるところにサスペンスが生まれる。サスペンスを構築するためにはストーリーの中に何らかの謎があることが絶対に必要である。

2、「主人公に感情移入できる」
 正義のヒーローであろうが悪党であろうが、主人公に共感することができなければ主人公に興味が持てなくなる。映画にドキドキすることもない。

3、「設定描写の妙」
 よい設定があれば、見る者はその世界観に没入して、ストーリーに集中することができる。

4、「ファンタジー性」
 誰もが憧れを抱く、日常でありながら非日常である世界が求められる。自分が現実では体験することのできない爽快感がサスペンスには必要。

5、「泣けるかどうか」
 最も重要な要素で、泣けるというのは究極の共感。涙が流れない作品が、よいサスペンスであるわけがない。