悪口の作法 | キジバトのさえずり(鳩に執着する男の語り)

キジバトのさえずり(鳩に執着する男の語り)

本家→「知識の殿堂」 http://fujimotoyasuhisa.sakura.ne.jp/

 この世の中に存在する、98パーセントの会社と99パーセントの上司がクソであることは言うまでもない。愚痴の一つや二つ、こぼしたくなるときがある。しかし、会社や上司の悪いところをあげつらうだけの愚痴を言うのは品がない。他人からそんな愚痴を聞かされるのも聞くにたえない。
 不満を吐露するにしても、作法が必要なのではないか。最近、そう思いはじめていて、俺流の愚痴のこぼし方を模索している。
 冗談混じりの愚痴をこぼしてみるのはどうだろう。思う存分、復讐心をあらわにしつつ、どことなく、笑ってしまうような言い方をすれば、エンターテインメントに化けるのではないか。
 以下に例文を記す。

***

大嫌いな上司を殴るための道筋

1、住宅ローンを、あと6年で完済する(目標――40歳くらい)
2、1年間、お金をためる(150万円くらい)
3、150万円をタネ銭にして、資産運用をはじめる(まずは、安全な投資信託からはじめる)
4、資産運用を本格化させ、いつでも会社を辞められる経済状態にする(目標――45歳)
5、南斗水鳥拳とスタンド(波紋でも可)を、大嫌いな上司どもに食らわせる。
6、暴力ざたが問題になり、会社をクビになる。

*45歳で自由人になる


実行計画

名称――幹部討伐
年月日――2022年吉日
指揮官および兵力――単独
効果――覆滅

一、奇声を発しながら、会社の本部に躍り込む。
二、持参してきたラジカセの再生ボタンを押し、『北斗の拳』のオープニング曲(BGM版)を流す。
三、課長職以上の幹部社員に向かって、「てめえらの血はなに色だーーーーっ!!」と叫ぶ。
四、南斗水鳥拳とスタンド(波紋でも可)で、悪人どもをこらしめる(合間を見て、給湯室で水分補給する)
五、「天誅」と筆書きされた紙片のみが入った退職届を、役員に投げつける。
六、ラジカセのカセットテープをA面からB面に引っ繰り返して、エルガーの「威風堂々」1番を流す(卒業式の定番クラシック曲)
七、課長職以上の幹部社員に向かって、文語調で演説する。
八、警察を呼ばれる前に転進、討伐を終える。