『クリエイティブの授業』(オースティン・クレオン) | キジバトのさえずり(鳩に執着する男の語り)

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・盗作、パクリ、物まね。
 言い方は何でもいいが、世間一般の理解では、ほかの人の作品を盗むのは悪いことであるらしい。しかし、この認識は間違っている。盗むことは、決して悪いことではない。他人の作品を盗まずに一流になったクリエイターなど、どこにもいない。問うべきは、盗むこと自体ではなく、盗み方にある。
 『クリエイティブの授業』(オースティン・クレオン)という本に、よい盗み方と悪い盗み方の違いが記されている。

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よい盗み方(GOOD THEFT) VS 悪い盗み方(BAD THEFT)


敬意を払う(HONOR)――――――作品を汚す(DEGRADE)

本質を学び取る(STUDY)―――――表面をかすめ取る(SKIM)

大勢から盗む(STEAL FROM MANY)――――――1人から盗む(STEAL FROM ONE)

権利を守る(CREDIT)――――――権利を侵す(PLAGIARIZE)

作り替え(TRANSFORM)――――――ものまね(IMITATE)

リミックス(REMIX)――――――パクリ(RIP OFF)

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 ほか、『クリエイティブの授業』に記されている言葉。

・「芸術とは盗むことだ」 パブロ・ピカソ(スペインの画家)

・「未熟な詩人はまねるが、熟練した詩人は盗む。無能な詩人は盗んだものを壊すが、有能な詩人はより優れたもの、少なくとも違うものへと変える。つまるところ、有能な詩人は、盗んだものを盗む前とはまったく異なる、独特な雰囲気に変えてしまうのだ」 T.S.エリオット(イギリスの詩人)

・「僕がじっくり鑑賞するのは、盗めるところがある作品だけだね」 デヴィッド・ボウイ(イギリスのミュージシャン)

・「何かを“オリジナル”と呼ぶやつは、十中八九、元ネタを知らないだけなんだ」 ジョナサン・レセム(小説家)

・「太陽の下に新しきものなし」(『コヘレトの言葉』1章9節)

・「言うべきことは、すでに誰かが言っている。だが、聞いている人がいなかったばかりに、言いなおすはめになるのだ」 アンドレ・ジッド(フランスの小説家)

・「オリジナリティとは何か? バレない盗作である」 ウィリアム・ラルフ・イング(イギリスの神学者)

・「自分の感性と共鳴するもの、想像を掻き立てるものなら、どんなものからでも盗みなさい。昔の映画、今の映画、音楽、本、絵、写真、詩、夢、雑談、建物、橋、看板、木、雲、水、光、影。どんどん吸収し、心に訴えかけるものだけから盗むのだ。そうすれば、君の作品(盗品)は本物になる」 ジム・ジャームッシュ(アメリカの映画監督)

・「そこらに放置されているくらいなら、自分のものにしてしまったほうがよっぽどいい」 マーク・トウェイン(アメリカの作家)

・「いいと思ったものをコピーしよう。コピー、コピー、ひたすら、コピー。その先に自分が見つかる」 山本耀司(ファッション・デザイナー)

・「何もまねしたくないなんて言っている人間は、何も作れない」 サルバドール・ダリ(スペインの画家)

・「1人の作家をコピーするのは盗作だが、何人もの作家をコピーするのは研究だ」 ウィルソン・ミズナー(作家)

・「君がたった1人の影響しか受けていなければ、君は第2の○○と呼ばれるだろう。だが、100人から盗んでしまえば、“君はオリジナルだ!”と言われるのだ」 ゲイリー・パンター(漫画家)

・「私たちから取ってほしい。まずは盗んでみてほしいんだ。なぜなら、結局は盗みきれないからだ。盗めるのは、私たちが与えたものだけだ。君はそれを自分のスタイルに取り入れ、自分のスタイルを見つけていく。誰だって最初はそうだ。そしていつか、誰かが君から盗む日が来る」 フランシス・フォード・コッポラ(アメリカの映画監督)

・「僕の動きはどれも一流選手たちから盗んだものばかりさ。僕は報いたいんだ――動きを教えてくれた先人たちにね。すべては試合のためさ。試合は僕自身よりずっと大事なんだ」 コービー・ブライアント(アメリカのバスケットボール選手)

・「君のアイデアを盗もうとする人々を気にしてはいけない。本当にいいアイデアなら、嫌でも押しつけることになるから」 ハワード・エイケン(アメリカの物理学者)