西部戦線異状なし
◆2023年に観た156本の中から独断と偏見で選んだオススメ作品をご紹介します
2022年/アメリカ・ドイツ/戦争・ドラマ/2:23/Netflixで視聴/
カズデミー賞受賞
◆作品賞(年間ベスト1)
◆撮影賞
◆視覚効果賞
◆監督賞…エドワード・バーガー
レビュー
この作品の原作であるレマルクの小説は今回で3度目の映画化です。
第1作は1929年に制作され同年のアカデミー賞では作品賞を受賞しており、本作も受賞となれば、同じ原作で2度の作品賞受賞という快挙をなしとげるところでした
がしかし、結果はもう皆さんご存知のように見事落選。私は本作こそ受賞にふさわしい作品であったと今でも確信しています。
毎日こんなことさせられる
ここで少し頭を冷やして内容の説明に移りますね。まずは圧倒的な映像の前に度肝を抜かれます。Netflixの独占配信なのでテレビのモニター越しでしか観られませんでしたが、本作はシアターの大画面で観たかったなあ。
臨場感や戦争の悲惨さを感じる余裕すらななく、ただただ2時間半、画面に釘付けになりました。
怖いおっちゃん現る
主人公のポール青年は志願兵として意気揚々と憧れの戦地に赴きましたが、そこはまるで地獄絵図。敵も味方もない無数の屍が累々と横たわる原野が広がっているだけでした。
やべえ こんなはずじゃなかった…
原作のラストはポール青年が一匹の蝶を救おうと塹壕から身を乗り出した瞬間銃撃にあい絶命するものでしたが、本作では少し異なるラストが用意されていました。
もう限界…オレ
エンディングで映し出されるシュバルツバルトの黒い森が観る者の胸に重く冷たくのしかかってくるのでした。
とにかく寒いんだわ
「1917 命をかけた伝令」が落選した時から思ってましたが、本作が作品賞を獲れないのだからアカデミー賞は映画の祭典でなく、なにか別のことを目的とした式典になってしまったのでしょうね。もし過去において、差別や偏見によりあおりを食った作者や作品、俳優がいたとして、どうして現代の映画人がその代償を払わねばならないのでしょうか。ノミネートするのに取ってつけたような条件など設けず、機会の平等を担保したまま、ポリコレに則って淡々と評価するだけでよいのではと思います
私はアカデミーが標榜している目標には賛成です。でも映画の評価とは切り離すべきだと言っているだけです。例えば「最優秀ポリコレ賞」「最優秀LGBT賞」みたいなものを設定すればいいのではないですかねえ?
今回はいつになく熱くなってしまいました
あんた誰?
ということで、「カズデミー賞」は純然たるシネマディクト(映画狂)の堅塁として、より一層力を入れて行かねばならなくなりました