渋温泉2泊目は金具屋旅館
入った途端、これでもかと言うくらい建具や建築の多様性を見せつけるようなつくり。いわゆる和風建築のワンダーランド!おもしろーい!
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もともと、こちらの開業前は農具などの製造、金物を扱っていらしたそうなので金具屋という名前になったそうです。
有形文化財になったのが旅館の中心をなす斎月館。
昭和11年、湯田中駅までの鉄道開通で観光客急増をにらみ、これまでの湯治宿から地域が誇れる観光旅館となるような新築を目指したそうです。名だたる旅館やホテルのいいとこ取りをするべく現地視察、旅館のあるじは宮大工を引き連れていざ、全国行脚へ。
お寺や数寄屋建築などは本来ならきまりや形式がありますが、旅館ですから。お客様が楽しめたらいいんです。旅館の作り方なんてきまりはありませんから、という勢いのまま、和風建築の様々な意匠や挙げ句は西洋建築まで、いいとこ取りの建築となりました。随所に大工さんの工夫が見てとれる。
木造四階建ての建物が現役で残っているのは貴重で、国の登録有形文化財となったのですね。この建物に横、後ろ、さらに上の建物を繋げてちょっと迷路のような内部空間となりました。
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こちらは8階の大広間、130畳、ぶち抜き柱無し。大雪でいちど崩落したそうですが、再建にあたって屋根のなかではトラス構造が支えます。
こちらの建物は厳密にいうと、斎月館のうしろに繋げた7階建ての建物の裏の山肌に、さらに2階建ての建物を作って繋げたというもの。意味わかります?
7階がちょうど裏山の崖の上とだいたい同じ高さ、その山の上に2階建てを作って繋げちゃった。下から数えれば確かに8階ですけど、山の上の別棟の2階の大広間ということだそうです。
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斎月館4階までは、ほぼ建築当時のまま、このガラス窓は当時の外壁にあたるところ、窓の向こうには、この壁を回り込むような廊下が続き、エレベーターに至る。
旅館の中なのに外玄関のようにそれぞれの部屋の入り口に意匠を凝らした庇がかかる。ちなみに廊下の三間半の欅の一枚板、4枚を並べました。贅をこらすというのはこんなところ。
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一階の廊下も外の露店を冷やかすようなつくり。夕やみせまる青空も。
一階の天井をわざわざ青く塗ったんですって。
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階段手すりには大広間建築の際に取り壊した水車小屋の水車の芯棒、同じく歯車で下地窓。なんでもやっていいとばかりに宮大工の遊び心がはじけます。
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我々が泊まったお部屋には、さりげなく中村不折の扁額。床の間の絵もよかったです。
貸し切り風呂も露天風呂も大浴場というには、ちとコンパクトなお風呂も、多種多様、たくさんあって渋温泉九湯巡りにも、まさるとも劣らない(?)お風呂の意匠も楽しみました。
以上、金具屋若旦那の解説をもとに
レポートを書いてみました。
最後に、渋温泉は至るところに腰掛けが置いてあったり、地元のかたが必ず挨拶をなさいます。
ほんとに心も体も温まるというか、あっつくなる温泉でした。