5月の茶事が終わりました。お越しくださったお客様ありがとうございました。
5月は端午の節句にちなんで、寄付きの烏帽子兜、菖蒲、ヨモギの絵に始まり、本席床が、大綱老師のあやめびきの和歌、二代小西平内の鯉耳花入れ、土風炉に永楽回全の黄交趾荒磯と節句関連が多い道具組となりました。
懐石道具もこのときとばかりに向こう付けが真葛の業平菱文様丸皿、炊き合わせに黄瀨戸あやめ文銅鑼鉢、和え物に青久谷の荒磯鉢とあちこちにいずれがあやめか、杜若。
まだ慣れない(?)初々しいお客様が、「こちらにもお魚が」とみつけてくださいました。
勉強熱心でなんでも教えてとのことなので、僭越ながら、あのー、5月のこの時期お魚があったら鯉なのですよー、と。
魚が滝をのぼって、竜になるという中国の故事から、男子の立身出世を願って鯉のぼりなどもかざるのですねー、と。
それぞれ、季節の物語が込められている茶席の道具でした。