「高校までは、特に問題ありませんでした」
発達障害のある学生や、そのご家族から、こんな話を聞くことがあります。
勉強もそれなりにできていた。
友達もいた。
高校生活も、何とか送ることができていた。
そして大学受験を乗り越え、大学生になった。
ところが――
大学に入った途端、生活がうまく回らなくなってしまう。
「授業に行けなくなった」
「課題が提出できない」
「朝起きられない」
「予定を管理できない」
「友人関係がうまくいかない」
「ゼミやグループ活動でトラブルが増えた」
そして本人は、
「自分は怠けているだけなのかな」
「大学生なのに、どうしてこんなこともできないんだろう」
と、自分を責めるようになります。
なぜ、大学に入ると困りごとが増えるのでしょうか?
その大きな理由の一つが、
「大学では、自分で自分を管理することが求められる」
ということです。
高校までは、先生や保護者がある程度、
「次はこの授業」
「この課題を提出して」
「明日はテスト」
と教えてくれます。
ところが大学では、
・履修する授業を自分で決める
・課題の締切を自分で管理する
・授業に出るかどうかを自分で判断する
・先生に自分から質問する
・困ったときに自分から相談する
といったことが一気に増えます。
つまり、
「自由になる」ということは、「自分で管理しなければならないことが増える」ということでもあります。
ここで、これまで見えにくかった発達特性が、初めて「困りごと」として表面化することがあります。
「本人の努力不足」で終わらせてはいけない
もちろん、すべての大学生のつまずきが発達障害によるものではありません。
環境の変化、友人関係、学業、アルバイト、睡眠、メンタル面など、さまざまな要因があります。
だからこそ、
「大学生なんだから、自分で何とかしなさい」
「もっとしっかりしなさい」
「本人の努力が足りない」
と簡単に片づけてしまうのは危険です。
本人は本人なりに、一生懸命やっているかもしれません。
それでも同じ失敗を繰り返してしまう。
そうだとしたら、
「なぜできないのか」
だけではなく、
「どうすればできるようになるのか」
を考える必要があります。
そして、大学を卒業した先には「就職」があります
ここも、私は非常に重要だと考えています。
大学生活で、
「予定を管理する」
「人に相談する」
「指示を理解する」
「期限を守る」
「人間関係を調整する」
といったことにつまずいている場合、
就職した後にも、同じような困難が出てくる可能性があります。
会社では、
「仕事を覚える」
だけではありません。
報告・連絡・相談。
スケジュール管理。
上司や同僚とのコミュニケーション。
仕事の優先順位。
体調管理。
環境の変化への対応。
さまざまなことが求められます。
そのため、
大学時代の「小さなつまずき」に早い段階で気づくことが、将来の就労支援にもつながる
と私は考えています。
「隠れ発達障害大学生」という視点
今回、私のnoteでは、
「隠れ発達障害大学生」は、どのような環境で困難が表面化しやすいのか?
というテーマについて、具体的なケースをもとに掘り下げました。
特に、
・高校までは大きな問題がなかった学生
・大学に入ってから急に困難が増えた学生
・本人が自分を責めてしまっているケース
・周囲が「怠けている」と誤解してしまうケース
について考えています。
「うちの子にも、少し当てはまるかもしれない」
「大学で学生支援を担当している」
「高校で進路指導をしている」
「発達障害のある学生の就職支援に関わっている」
という方には、ぜひ読んでいただきたい内容です。
▼今回の記事の本編はこちらです。
「隠れ発達障害大学生」は、どんな大学・学部で表面化しやすいのか?
https://note.com/msrkgym/n/n9a6f4aefc7fc
大学生活のつまずきを、
「本人の努力不足」
だけで終わらせないために。
そして、大学から社会に出るときに、少しでも本人が自分らしく働けるように。
そんな視点から書いています。
ぜひ、読んでみてください。