さて今回から、「探検者と海賊版」、「都市と騎士版」に続き、

発展版の「商人と蛮族版」、いわゆる商人カタンについて紹介します。

 

この商人カタンは、スタンダード版をちょっと発展させたものなので、

セッティングに10分以上かかったり、広大な設置場所が必要だったりしません。

 

また、商人カタンのルールの中には、とくに道具なしでスタンダード版に利用できるものもあります。

最初にスタンダード版カタンにだいぶ慣れて、「そろそろ発展版やってみようかな~」と思った人におすすめです。

(今思えば、最初に一番時間長くて場所もでかい「探検者と海賊版」に手を出す前に、よく調べるべきでした・・・)

 

それでは、「第19回商人カタン ~4つの選択ルールと5つのシナリオ~」、いってみましょう!!

 

 

 

~♪~

 

・「追加ルール」と「シナリオ」

商人カタンには、4つの選択ルールと5つのシナリオがあります。

「選択ルール」のうち3つは商人カタンをもっていなくても、スタンダード版に適用して遊ぶことができます。

「シナリオ」は、5つ各々が異なるルールや盤面で構成されていて、ちょっと変わったカタンを楽しむことができます。
 
 
 
・選択ルール1「親切な盗賊」
2点しかないプレイヤーの領地に盗賊を置けなくなるというシステムです。
説明書のこのルールについての説明がおもしろくて、すごく好きです。
 
ー以下引用ー
 
カタンの森で何が起こったのでしょう。暗い森の中から不思議な話がきこえてきました。
恐ろしい盗賊イーゼボルトとその子分が行方をくらまし、ある若者がその跡をついだというのです。
その名もロブ・デ・フッドといい、金持ちの旅人しか襲わず、貧しい者は見逃してもらえるそうです。
 
(中略)
 
ゲーム開始後すぐに盗賊が居座ってしまい、ダイスで7も出ないまま、その地形の資源が産出されないことは、
誰でも経験したことがあるでしょう。「親切な盗賊」は、3以上になるまで、そんな被害を免除してくれます。
 
(さらに中略)
 
家族で遊ぶ場合、特に子どもと遊ぶ場合は、いつもこの選択ルールを使用するとよいでしょう。
 
ー引用おわり(*'▽')ー
 
と、これを読んでいて初めて、我々をずっと苦しめていた相手の正体を知りました。
許すまじ、イーゼボルト!ありがとう、ロブ・デ・フッド!
 
子どもや初心者の方とやる時は本当におすすめです。
 
 
 
 
 
・親切なプレイヤーシステム
海カタンや騎士カタンなど、やることが多い時に、やらないといけないことをやり忘れて大損してしまうことがあります。
本来それは自己責任なんですが、正々堂々と気持ちよくカタンをするために、ぼくたちが開発したシステムです。
つまり、簡単に言えばやり忘れやもらい忘れがあった場合に教えてあげるってシステムです。
 
 
 
・選択ルール2「カタンイベント」
「今回6出なかったからな~、あの8が半分6だったら結果は違ってた」とか、
そんな悔しさのにじむ言葉をこぼしていたあなたに朗報です。
 

このルールでは、ダイスではなく、数字が書かれた37枚のカードをひいてゲームを進めていきます。

つまり長期的に見てダイスの出目の偏りがなくなるわけです。
運による不平等がなくて安心で、これで勝つと間違いなく実力による勝利であると証明できてうれしい反面、
出目についてああだこうだ文句を言うというカタンあるあるがなくなり、さみしい感じもします。
 
結局勝ったり負けたりする以上に、みんなでわいわいボードを囲むことそれ自体が楽しさの1つなんでしょうね。
 
 
 
・カタンイベント
カードのいくつかには、イベントが書かれています。
「今回は都市から資源が1枚しかもらえません」とか、「全員が左隣のプレイヤーにカードを1枚プレゼントする」とか、
なかなかおもしろいです。
 
 
 
・有利な交易
カタンイベントの1つです。最長交易路をもっている人が、他の人から資源を1枚もらえます。
きっと、ドイツでもアメリカでも、
it's a theory to take  "The longest road" in the final stage.(最長交易路は終盤に取るのがセオリーだ)
みたいな言葉があるんでしょうね。(英語合ってるか分からないけど・・・)
早めに最長交易路をもつ人にちょっとしたボーナスがあってうれしいです。
 
他にもカタンの外国語の格言があったら素敵ですね。
「羊の価値が分かった時、本当のカタンが始まる」とか、なんか思いついた人、英訳できる人教えてください。
 
 
 
選択ルール3「港の親方」
「最大騎士力」「最長交易路」に続く、第3のボーナスポイント(2点)です。
これのルールを採用した場合、ゴールの目標点数が1点あがります。
港に開拓地があると1港p、都市があると2港pで、最初に3港p以上とると、この「港の親方」がもらえます。
取り返すには、他のボーナスと同じで相手より高い点をとらなければいけません。

4人でやる場合の決着が早くなったり、海の方に開拓地を置くメリットができるので、おもしろいルールだと思います。

 

屈強な港の親方を書いたカードさえ作れば、スタンダード版でもできるので、ぜひプレイしてみてください。

 

 

 

選択ルール4「2人でカタン」

カタンがしたいけど、3人や4人が集まらない。そんな思いをしたことがきっとありますよね。

そんな人のために作られたのが、このルールです。

 

島の上から1つ目と下から1つ目の場所に、ゴーストプレイヤー(実際にはいないプレイヤー)の開拓地を作り、

その後、自分たちの陣取りをして、ゲームをスタートします。

プレイヤーが道や開拓地を建てたら、建てた人がゴーストプレイヤーの分の道や開拓地を建てます。

例えば自分が道を作った後、ゴーストの道を相手の方に伸ばし、妨害することができます。

建設できる場所を制限することで、バランスをとっているんですね。良いルールだと思います。

 

もちろん4人でやるときほどは楽しくないですが、それなりに楽しめます。

うちはどうしてもカタンがやりたくなった時に夫婦2人でやっています。

 
 
 
・1人でカタン
どうしてもやりたくなったら、スマホアプリを使えばできます。課
金すれば発展版もプレイできるそうです。
 
 
 
・シナリオ1「カタンの漁師たち」
「漁場タイル」という場所から魚が獲れ、獲った魚の数に応じて、
「賊を盤外に出す」「好きな資源1枚を山札からもらう」「発展カードがひける」
といった様々な使い方ができます。
 
交渉をする必要がなくなってくるので、もともと交渉が成り立ちにくい2人、3人プレイでも楽しめます。
ぼくは、この魚カタンが大好きっていうか2番目に好きです。
 
 
 
・魚チップ
漁場タイルの数字が出たら、魚チップというのをとるんですが、
とった魚チップを裏返すと、1~3匹のサンマらしき魚が描かれています。
1チップで3匹とれることもあれば、3チップで3匹のこともあります。
魚チップをとるときが、魚カタンで一番楽しいです。
ちなみに、魚チップは交渉や交換には使えません。
 
 
 
・ボロ靴
チップの中にボロ靴が1つ紛れています。この効果は、他のカタンでも類を見ない効果があります。
それは・・・
 
 
 
「もっている人のゴール目標点数が1点上がる」
 
です。点が下がるわけじゃなくて、ゴールが遠くなる不思議な、そして1位を直接妨害できる画期的なシステムです。
このボロ靴、自分のターンなら同点以上の人に渡すこともできます。
 
「ボロ靴あげるよ」
「え~いらね~」
 
という光景が度々見られて、ほほえましいです。
 
 
 
・2,3,11,12漁場タイル
なんと、4つの数字が1つに詰まった漁場タイル。
出る確率はなんと7と同じく、最高の1/6の夢のタイル、狙うしかない!
 
 
 
・魚がないとつまらない
「おれ今回魚は狙わない」と言って、漁場タイルを取りにいかない戦法。
別に弱いとか勝てないとか、そういうわけではないけど、
みんなが魚チップで盛り上がっている場に参加できないのがさみしい。
 
 
 
・シナリオ2「カタンの河川」
島に川が流れていて、川には道の代わりに橋(コスト:レンガ2、木1)を建てる必要があります。
川沿いに道や橋、開拓地を建てると金が1枚もらえます。
 
金は探検者版でも馬車カタンでも出てきますが、使い方は同じで以下の3つです。
①1ターンに2回まで、金2枚で好きな資源1枚がもらえる。
②金は交渉に使うこともできる。
③金が最も多い人は金持ち開拓者(1点)、最も少ない人は貧乏開拓者(-2点)になる

 

やってみて、う~ん・・・という感じでしたね。

道を作れば金がもらえるけど、4人でせまい島に道を作ることになったので、

金持ち開拓者になるために金を使わないとか、貧乏開拓者にならないように金を使わないとか、

その駆け引きにたどりつけるほど金が手に入りませんでした。

 

開拓路線が基本戦略になるので、ちょっと趣向を変えたいときにやるといいかもしれません。

 

 

 

・シナリオ3「キャラバンの行列」

通称ラクダカタンです。おもしろいので結構好きです。

砂漠の代わりに島の真ん中にオアシスを置き、そこから隊商(ラクダ)がどんどんのびていきます。

開拓地や都市を建てると、みんなで麦や羊を出し合い、どこにラクダをのばすか投票をします。

このラクダに挟まれると、開拓地や都市は1点アップ、道は2本分になります。

その代わりゴールの目標点数が12点になります。

 

投票のシステムがおもしろくて、資源の交渉以外で全員が参加する場があるというのが新鮮でした。

 

 

 

・ラクダ

かわいいです。22コマいますが、絶対そんなに使いません。

 

 

 

・投票

開拓地か都市を建てる度に行われ、建設者から順に時計回りに麦か羊を出し、

どの方向にラクダをのばすか投票していきます。

1枚につき、投票権1なので、何枚出してもOKです。

大体建設者は建設した後なので、多く投票することはできません。

伸ばす方向への投票なので、プレイヤー同士で協力して投票することもできます。

この駆け引きや談合が楽しいです。

 

 

 

・アドバイス

説明書にこんなことが書いてありました。

「羊毛はスタンダード版の場合、最も価値がないとみなされる資源ですが、

このシナリオでは羊毛を投票に使い、追加ポイントをもたらすことができるので価値が高くなります。

小麦も投票で使えますが、羊毛より建設に使うことが多いでしょう。

したがって最初にコマを置くときは、小麦がよくとれる畑かその近くに置くと有利になるでしょう。」

 

って、公式に羊がけなされる記述に唖然・・・

しかも。せっかく最も低かった羊の価値を上げたにもかかわらず、小麦の価値も一緒に上げといて、

「結論:最初に畑にコマを置くと有利です」ってどういうつもり?!

 

憐れなり、羊!いつかおれが羊の必勝法を考えてやるからな!!

 

 

 

・シナリオ4「蛮族の襲来」

なんと、これについてはやってません!

騎士と蛮族の戦いなら、騎士カタンでいいか~とか言って、やってないからです。

説明書の感じだと、騎士カタンに近い気がするけど、やってないものを紹介してもしょうがないですね。

 

 

 

・シナリオ5「商人と蛮族」

馬車カタンと呼んでいます。これがめっちゃ好きです。

建設ターンの後、「馬車」と呼ばれるコマを使って荷物を運び、島にある3か所のタイルを往復します。

往復するごとに点と金が増えていきます。

この物を運ぶ感じと建設ターンの後の移動ターンは、探検者版を彷彿とさせます。

探検者版はプレイに2時間半かかりますが、馬車カタンは1時間程度で終わります。

商人カタンは5種類のシナリオで好みが分かれると思いますが、ぼくはこれが一番のおすすめです。

 

よくやるので、これだけカタン語録も充実しています。

 

 

 

・馬車

ものを運びます。

道があるとたくさん移動できますが、他の人の道を使う際には金を払う必要があります。

運び終わると1点と金がもらえます。

馬車レベルは1~5まであり、資源を使うことでレベルアップし、移動力や金収入が増えます。

 

 

 

・サンバーシャ

馬車レベル3の状態。発音よく言うとアラブの辺りの英雄の名前に聞こえる。

レベル3は移動力が高く、金も結構もらえるので、みんなひとまずこのサンバーシャを目指します。

 

 

 

・ヨンバーシャ

馬車レベル4。移動力はこれより上がらないので、大体ここでとまる。

サンバーシャとの音のつながりが美しい。

 

 

 

・ゴバーシャ

1ゲームで1回出るかどうか。

高い移動力と高額の金収入に加え、馬車自体が1点をもつ、まさに馬車会の英雄。

音の響きも重厚感があって、とても強そうだ。

 

 

 

・日本列島改造計画

この馬車カタン、道を伸ばしまくると1ターンで荷物を配達することができる。

それぞれのプレイヤーが好き勝手に道をのばすことで、まさに網の目状に交通網が発達し、

他のカタンでは見ることができないくらい、島が道によって彩られていく。

 

 

 

・東名高速、名神高速

3か所のタイルのうち2か所を完全につなぐことに成功した状態。

急ぎの他プレイヤーが利用することで、金収入も大いに期待できる。

 

 

 

・都市高速、ジャンクション

目的のタイルのすぐ近くにたくさん道をつくりったり、交通の要衝に道1本だけ作ったり、

とにかく、そこを通らざるを得ないプレイヤーから通行料として金をとる状態。

なんか悔しいけど、どうしてもそこを通ってしまう。

地元の表現で申し訳ないですが、東海でいうと前者は名古屋高速、後者は亀山や一宮辺りのジャンクションをイメージすると、

通らざるをえない状況が想像できるかもしれません。

 

 

 

 

というわけで、今回はざっくりと商人カタンの紹介でした。

次回は攻略法について書きたいけど、詳しく書けるほどやってないものもあるので、

これを書くことが逆に自分の商人カタンへの理解を深めることにつながるかもしれません。

 

それでは!!