藤吉は影響を受けやすい子です。図星を突かれれば三日凹み、本を読めば文体が似ます。だからある時は菅野彰であり、ある時は志賀直哉な訳です。で、今はリリー・フランキー。

妹が母の日だからと『東京タワー』を買ってきました。その恩恵に預かり、読ませてもらっています。解りやすく面白い語り口調で、実に読みやすい。こりゃ売れるよと思います。著者のオカンに抱く思いがじんわり染みます。自分はなぜ母親にこんな優しい思いを抱けないのか疑問になります。ん、でもまあ「あんた(藤吉)が読みおわったら粗筋聞くわ」とか妹の前で言い放つような種族なのであまり悲しくはありません。ただ虚しい。私は五本指ソックスを贈りました。彼女の機嫌がよかったので無難に受け入れられました。嬉しいのか悲しいのか解りませんが、まあこれで良いのでしょう。私のオカンだから。