Unicorn John Lowe、Trinity Mercury、Tripleight T-arrowの比較

今回は神様のバレルと呼ばれるUnicornのJohn Loweと、それををベースにデザインされたTrinityのMercury(20g)と、さらにMercuryをベースにチューンされたTripleightのT-arrow(18g)の3タイプの砲弾型ショートバレルを、それぞれバレル実測などをしながら比較してみたいと思います。

 

■Unicorn John Lowe CC885■

John Lowe

Unicorn John Lowe:1979、1987、1993年に3度のWorld Darts Championに輝き、1984年にTV中継、初の9darts(501)を達成したダーツの神様と呼ばれる「John Lowe」のソフトモデル、UnicornのワールドチャンピオンシリーズのJohn Lowe(CC885)は、砲弾型ショートバレルでまるで小石を投げた様な鋭い軌道で飛び、タングステンダーツのわりにバレル外径が太く、持ちやすい事で知られています。

 

John Loweは今回紹介している「CC885」の他にも表面にチタニュウム処理がされたゴールドタイプの「CC995」と、シャフト一体型(シャフトがハードポイントと同じ素材のバネレート鋼)の「KARATE」と、同じ一体型にCC995と同様な表面処理がされた「GOLDEN KARATE」の4タイプがあり、「CC885」と「CC995」が16g、18g、20g、の3モデルのg展開、「KARATE」と「GOLDEN KARATE」が18g、20gの2モデルのg展開の合計10ラインナップが発売されています。

追記:新型として珍しいステンレスバレルの「BULLET」のJohn Loweモデル(16、18、20g展開)が発売される様です。

(ステンレスなので一回り太いバレルになっている様です。)

そして今後、UnicornのフラッグシップモデルHERO GOLDENシリーズとして、ゴールド95%タングステンバレル、刻みにフィルテーラーグリップを採用したJohn Loweモデルが発売される様です。

(しかし新発売される上記の2タイプはバレルシェイプや刻みが違うので「別物」と考えた方が良いと思います。)

 

■Trinity Mercury■

Mercury

Trinity Mercury:多数のプレイヤ-の要望を取り入れ、 3D化した後、「神様」(John Lowe)のバレルよりも、「飛びの強さ」を表現するために、Trinity独自の工法「フロントウェイト工法」と「グラインドシェイプ」をを駆使して、「名器」を越えるために、砲弾型ショートバレルの制作に「挑戦」したモデルです。

 

Mercuryの刻みに関しては、刻みの入っていない部分への親指掛けにも対応出来るように、広めの刻みを3本追加しています。

■Tripleight T-arrow■

T-arrow14-1

Tripleight T-arrow:砲弾型の代名詞John Loweをベースに製作されたMercury(20g)をトーナメント対応にカスタマイズし18gにgダウン、MercuryでJohn Loweに追加されたバレル後方3本のリング状のカットを4つのシャークカットに変更し、グリップ(指のかかり)を強める事により推進力を高め、gダウンした事を補う「飛びの強さ」を考慮した設計がなされています。

 

■バレル比較画像■

比較画像14-1

左よりJohn Lowe、Mercury、T-arrow

 

MercuryとT-arrowはウエイトが違う(約1.3g差)のですが、バレルの外径(約7.4mm)と長さ(約37mm)がほぼ同じでバレルシェイプもシルエットが似ています。

(T-arrowはMercuryのベースのチューンモデルなのでバレルシェイプが似ているのは当たり前の話なのだが・・・)

 

John Loweは他の2種類と比べるとバレル外径が太く(約0.6mm)、バレル長が短い(約2mm)、バレルデザインがされており、他の2種類より若干丸みを帯びたバレルシェイプです。

 

刻みに関してはバレル中央のリング状の刻みは、画像では判りづらいですがJohn Loweの方が他の2種より若干幅が広く刻まれており、細かい間隔で7つ配置されているのに対して、MercuryとT-arrowの中央のリング状の刻みは、同じ様な刻みがJohn Loweより前方(ティップ側)の位置から6つ同じ様に配置されています。

 

Mercuryの後方には中央の刻みより広めの間隔で3つのリング状の刻みが追加されており、T-arrowはその3つにリング状の刻みがグリップの良い鋭角なエッジを持つ4つのシャークカットに変更されて刻まれています。

■バレル実測データ■

*デジタルのスケール(0.01g単位)とノギス(0.01mm単位)で実測

Unicorn John Lowe(20g)

バレル長:約34.9mm

バレル最大外径:約7.96mm

ティップ側2baメスネジ深長:約7.6mm

シャフト側2baメスネジ深長:約9.17mm

バレル重量:約17.8g (トータル・ウエイト20gモデル)

 

Trinity Mercury(20g)

バレル長:約37.05mm

バレル最大外径:約7.38mm

ティップ側2baメスネジ深長:約8.1mm

シャフト側2baメスネジ深長:約12.1mm

バレル重量:約17.8g (トータル・ウエイト20gモデル)

 

Tripleight T-arrow (18g)

バレル長:約37.1mm

バレル最大外径:約7.4mm

ティップ側2baメスネジ深長:約11.3mm

シャフト側2baメスネジ深長:約16.8mm

バレル重量:約16.5g (トータル・ウエイト18gモデル)

 

■バレル実測データは、すべてデジタルスケール(0.01g単位)とデジタルノギス(0.01mm単位)を使い実測しました。

尚、実測データは、各セット内のバレル間に重さや寸法に少々の「バラつき」が有るので、所有セット内の平均値で表示しています。

■バレル重心比較画像■

比較画像14-2

左よりJohn Lowe、Mercury、T-arrow 黒糸が重心位置

 

John Loweは刻みの配置とバレルシェイプの関係と、2baメスネジ部をティップ側をよりシャフト側を若干(.約1.5mm)深くして重心位置を前方に調節してバランスをとる事で、センター重心ののバレルになる様に設計されている様です。

(今回、実測して初めて気が付いたのですがJohn Loweにも「フロントウエイト工法」?と同じ設計がされているんですね)

 

Mercuryは刻みの配置とバレルシェイプの関係と、Trinityお得意の「フロントウエイト工法」(2baメスネジ部をティップ側をよりシャフト側を深くして重心位置を前方に調節する工法)でシャフト側のネジ部をJohn Loweより深くする事により、若干の前重心のバレルになる様に設計されている様です。

 

T-arrowは刻みの配置とバレルシェイプの関係と、Mercuryでも使われている「フロントウエイト工法」でシャフト側のネジ部をMercuryよりさらに深くする事により、Mercuryより前重心の設定をしたバレルになる様に設計されている様です。

 

■個人的比較インプレッション■

 

今回比較をした砲弾型ショートバレルのダーツは、投げた時のボードを打ちつける様な飛び(気分が良い)とバレルを全体的に指(3フィンガー)で包める感じが好きで、以前メインで使っていた時期もあり、個人的に好きなタイプのダーツです。

 

砲弾型ショートバレルの代名詞John Loweは独特飛びをするバレルで、同じgでもの他のタイプのダーツバレルとはひと味違う、Eボードのセグメントが壊れるんじゃないかと思うほど、ダーツがボードを打ちつける様な飛び方をします。

(投げ方にもよりますので個人的感覚大のコメントです)

 

MercuryはJohn Loweの様なぶっ飛び方(個人的感覚)はしませんが、扱いやすい様にJohn Loweよりバレル外径を日本人のサイズに合わせて少々細くする事で、コントロール性を高め(オイラの勝手な推測です)、程よいグリップ感のあるコントロールしやすい飛びの良いバレルに仕上がっています。

(Mercuryもセグメントに悪そうな、ボードを叩く様な刺さり方をします。・・・この手の事は、以前はあまり気にして無かったのですが、自宅のメインボードをクリプロ800に変えてから、貧乏性なものでセグメントの痛みを気にする様になりました。)

 

T-arrowはMercuryをトーナメント対応に約1.3gほどダウンさせたモデルですが、重心位置を前方にずらし、後方の刻みをシャ-クカットに変更し、グリップ(指のかかり)を高める事で「押す力」をよりバレルに伝え、gダウンした事を感じさせないトータルウエイト18gタイプのダーツとは思えない程の推進力のある飛びの良いバレルに仕上がっています。

(砲弾型が好きな方には是非投げてみて欲しいですね)

 

尚、オイラが所有しているMercuryは投げ込んでいて、かなりくたびれているので、新品と比べると少々グリップがおちていると思うので、その事を考慮して読んでください。

 

 

P.S:今回から、Blogを書くにあたり新兵器を導入しました。

 

■新兵器0.01g単位デジタルスケール■

デジタルスケール

0.01g~50.00gの精密デジタルスケールを購入しました!

 

今回購入した0.01g単位のデジタルスケールで個々のバレルを量ると、今まで使っていた0.1g単位のデジタルスケールと違い、結構バレル間のウエイト差がある事がはっきりと判り、バレル実測データのバレル重量を決める時は、1セット3本のバレルウエイトの平均値の末尾単位(0.01g)を 3~6を0.05g 0~2と7~9は二捨七入(この表現であっているのか?)して、単位(0.1g単位)を繰上げて+0.1gか切捨ての3つに分けて末尾を表記する事にしました。

 

尚、バレル実測のmm単位の方はメスネジ深長以外(このネジ部の差が重量にも影響している様です)はあまり差が出ないので、セットの平均値で表記しています。

(レーザー測定などではない0.01mm単位のデジタルノギスでの計測なので、元々末尾単位は正確ではありません)

 

0.1g以下を3つに分けて表記しても、あくまでもオイラの所有するダーツの平均値ですから、参考程度に考えてね。

・・・ロボットじゃあるまいし、実際は、0.01mmや0.01gの差が判る人間なんてこの世に存在しないとは思うんですけどね。

・・・そこまで拘る必要があるのかっていう疑問もありますが。

(自己満足「オナニスト」の世界ですから突っ込まない様に)

・・・しかし50gまでしか量れない「ハカリ」って

・・・このBlog書く時しか使わない・・・と思う

・・・また無駄遣いしてしまった (´ロ`;)