台風が過ぎ去った朝 日差しがまぶしい 智子は
心地よく目が覚めた 相川陽子の携帯をチェックした
着信もメールも無い 仕事を無断欠勤すれば職場から
TELやメールが入るハズ 様子を見よう
カーテンを開けた なんなのよう~この景色
海がクッキリ見える利島、新島、神津島が♪
海はまだ大荒れ この荒波自殺した相川陽子
発見されることは無いことを智子は願った
インターホーンが鳴った オーナーのおばさんから
「お風呂も入れますよ~好きな時に朝ご飯食べに
きてね~」 先にお風呂に相川陽子のカバンには
新品の下着があったので拝借した
お風呂に入りダイニングに向かった
そこにはオーナー親子が朝食を共にするかの為か
待っていてくれた
「1人旅か仕事か分からないけど私達もご一緒させて
頂きますね 」
智子は感じた こんな和やかな食卓は平野家では無い
毎朝父と母は金地金の相場や高井戸工場の納めの
話等仕事や金の話ばかり、この土屋さんのペンションは
心地よく思った
俊雄が「陽子さん♪国道が崖くずれで復旧がお昼前らしい
です よかったら僕の航宙艦見て行ってください
港も案内したいし」
でた~なんなのよう~ひろしの領域だ
智子は聞きたいこともあったのでこの世界に付き合う
ことにした
俊雄は智子をミニバンまで案内した
「下田駅まで送還用にやっぱり無いとね ピーク時は
リゾートバイトのスタッフに任せてるんだよ~
先週まで居たけど次は桜の頃に来てもらっている」
「普段はお母さまがペンションを切り盛りしているの?」
「あと地元の非常勤のおじさんやおばさんがいるので
忙しい時とか~」
「お父様は?」
「実は僕は東京で電気関係のサラリーマンだったけど
親父が倒れて急遽漁師の仕事を継いだのさ」
それから親父が他界してこのペンションを5年前から
兼業で始めた訳かな」
着いたよ~この船です 中型だけどおトイレ、キャビンも
有って新島迄は行けるかな 普段は神子元島周りで
操業してます まぁ~ネビラ級艦船っていうとこかな」
「そうねエンタープライズまでは?」
智子はひろしの会話を思いだして答えた
続く