真面目なメモです。

 

ステージ4の状態になって、完治しない事実。

当初は、受け入れ難かった。

 

今も受け入れているわけではない。

でも拒絶するのも疲れるので、

癌と共存であっても、

生きてればいいやと思うようにしている。

 

でもさ、取りたいよ。本音はさ・・。

 

「少数転移(オリゴメタスタシス)に対する根治的(完治をめざす)放射線治療」

 

という概念を、3年前知った時に、お釈迦様が蜘蛛の糸を天から垂らしてくれた・・

そんな気分になった。掴んでいいものなのか、、怖いな。たぶんすぐ切れるだろうあやうい。

でも魅力的な糸だなあと。

 

この条件に当てはまるのはステージ4でも少数派だから、期待しないようにしなきゃ・・。

(でも気になる)みたいな気持ちだった。

少数転移(オリゴメタスタシス)

通常、がんは、それが発生したもとの臓器から、徐々に全身に広がっていくと考えられています。しかし全身に転移を起こす患者さんの中には「広範囲に転移する能力を獲得しておらず、少数個の転移のみ存在する状態」の患者さんがいると考えられています。そういった状態は多くの種類のがんで認められ、限局したがん(転移しないがん)と広範囲に転移する状態の中間的状態とみなされ、"オリゴメタスタス"(oligometastases)と呼ばれています。

 

ステージ4 でも、緩和照射以上の治療ができるケースがあると知った3年前。

ここ数年で、もう少し話が進んでいるように感じる。

 

☆2020年度から「オリゴ転移(正確には、Oligo-recurrence)では、5個以内の場合には定位放射線治療(SRTやSRS)が保険適用」となった。

Oligo-recurrenceとは、がんの原発巣が制御された状態(活動性でない状態:その部分の がん は抑えられている)。肺がんでいうと、脳転移にガンマナイフ照射して、全身治療は継続するようなケースはあるが、脳以外でも、5個以内の少数転移には、保険で定位放射線が可能となった。

 

そして、分子標的薬や免疫チェック阻害薬などの進歩により、以下のワードもよく聞くようになってきた。

いよいよ自分も根治的な放射線治療ができる時代かも?と胸が高まっている。

 

☆オゴ進行(オリゴプログレッション)

進行非小細胞肺癌で、長期にわたる病勢安定期の後、あるいは全身療法で部分奏効または完全奏効した後、病勢の進行が局所に限られている状態と定義される。

 

オリゴ進行への局所治療は実際のところ、

どのくらい実施されているのだろう・・

先生方に話して、治療選択として考えてもらえるレベルの話なのか?

そう感じながら、先日主治医に話題に出してみたが、

治療選択としては、充分ありえるという雰囲気であった。

 

ド素人的には、放射線治療を実施しておいた方が、再々発した時、ICIが少しでも効きやすくならないだろうかと思ったりするし。そんな感じで、前記事の妄想治療を勝手に考えている・・。

 

 

以下のガイドラインの1つの試験の中間解析

 

局所治療をした群VSしなかった群(11.9ケ月VS3.9か月)で、PFSに結構差が出てるように見える。

 

 

今後のエビデンスの蓄積に期待しています!!

 

最新版2021年度の肺癌診療ガイドライン

 

【解説】

少数の転移性病変(oligometastatic disease)を有するⅣ期非小細胞肺癌に対する局所治療の追加に関して,いくつかのランダム化比較第Ⅱ相試験の報告がある。それらの報告では,原発の診断から6カ月以内にoligometastatic diseaseと診断されたsynchronous oligometastatic diseaseが主な対象であり,臓器数・転移個数が限定され,病変が限局しない転移様式(癌性胸膜炎・心膜炎,癌性リンパ管症,髄膜癌腫症など)は除外された。

 初回化学療法後3カ月間増悪のない,3個以下の転移病変を有する非小細胞肺癌患者を対象に,維持薬物療法に対する局所治療(切除もしくは放射線治療)の追加を比較したランダム化第Ⅱ相試験が行われた。ランダム化された49例の中間解析において,PFSのHRが0.35(11.9カ月vs 3.9カ月, 90%CI:0.18-0.66,P=0.005)と,局所治療群で有意に延長することが示された1)その後の長期フォローの報告では,OS中央値41.2カ月vs 17.0カ月であり,局所治療群で良好な傾向であった。有害事象については両群で同様であった2)

 プラチナ製剤併用療法4~6サイクル後に病変が安定しており,EGFR遺伝子変異/ALK融合遺伝子のない,5個までの転移巣(肝転移,肺転移は3個以下)を有する非小細胞肺癌を対象に,維持薬物療法に対する体幹部定位放射線治療(SBRT)の追加を比較した単施設ランダム化第Ⅱ相試験が行われた。29例が登録され,中間解析においてPFSはHR 0.30(9.7カ月vs 3.5カ月,95%CI:0.11-0.82,P=0.01)と,局所治療群で有意な延長を認めた。有害事象は両群で同様であった3)

 非小細胞肺癌を含む固形癌を対象にしたランダム化第Ⅱ相試験(SABR-COMET試験)では,3カ月以上薬物療法で制御されている,原発を含む5個以下の転移病変を有する症例に対して,維持療法に対するSBRTの追加効果が評価された。この試験では,非小細胞肺癌が18%含まれていた。ランダム化された99例において,主要評価項目であるOSはHR 0.57(41カ月vs 28カ月,95%CI:0.30-1.10,P=0.090)であり,有意な延長を認めた。Grade 2以上の有害事象は,SBRT群で19例(29%)と維持療法群3例(9%)と比較し有意に多く,治療関連死はSBRT群では3例(4.5%)に認められ,維持療法群では認められなかった4)。またQOLに関しては,両群間に差を認めなかった5)

 これらの複数の比較試験により,synchronous oligometastatic diseaseに対し薬物療法で安定が得られている場合には,局所治療の追加によって予後の延長が得られる可能性が示唆された。しかし,実際に登録された患者集団の転移個数については,いずれの試験でも転移病変が2個以内の症例が9割を占めており,患者選択に偏りがあった。また毒性について,局所治療により治療関連死が認められた試験もあることから,安全性については慎重に検証する必要がある。さらには,実地診療において局所治療へのアクセスの問題やそれぞれの転移に対して明確な治療法が示されていないこともあり,これらのエビデンスを日常臨床に外挿する際には,複数の領域を含めた集学的治療検討チームにより慎重に吟味されなければならない。

 以上より,転移臓器・転移個数が限られているsynchronous oligometastatic diseaseで,薬物療法によりそれらの病勢が安定しているⅣ期非小細胞肺癌症例の場合,局所治療を追加することは症例によっては増悪までの期間を延長させることでメリットが得られる可能性がある。エビデンスの強さはC,また総合評価では行うよう弱く推奨(2で推奨)できると判断した。下記に,推奨度決定のために行われた投票結果を記載する。

 

 

 

引用文献

1)
Gomez DR, Blumenschein GR Jr, Lee JJ, et al. Local consolidative therapy versus maintenance therapy or observation for patients with oligometastatic non-small-cell lung cancer without progression after first-line systemic therapy: a multicentre, randomised, controlled, phase 2 study. Lancet Oncol. 2016; 17(12): 1672-82.
2)
Gomez DR, Tang C, Zhang J, et al. Local Consolidative therapy vs. maintenance therapy or observation for patients with oligometastatic non-small-cell lung cancer: long-term results of a multi-institutional, phase II, randomized study. J Clin Oncol. 2019; 37(18): 1558-65.
3)
Iyengar P, Wardak Z, Gerber DE, et al. Consolidative Radiotherapy for limited metastatic non-small-cell lung cancer: a phase 2 randomized clinical trial. JAMA Oncol. 2018; 4(1): e173501.
4)
Palma DA, Olson R, Harrow S, et al. Stereotactic ablative radiotherapy versus standard of care palliative treatment in patients with oligometastatic cancers(SABR-COMET): a randomised, phase 2, open-label trial. Lancet. 2019; 393(10185): 2051-8.
5)
Olson R, Senan S, Harrow S, et al. Quality of life outcomes after stereotactic ablative radiation therapy(SABR)versus standard of care treatments in the oligometastatic setting: a secondary analysis of the SABR-COMET randomized trial. Int J Radiat Oncol Biol Phys. 2019; 105(5): 943-7.

 

★☆おまけ

放射線じゃなくて、手術はどうなの???ステージ4のEGFR陽性の私は先々手術の可能性はあるのか?

最近でた、気になる論文についてキュート先生が解説されてます。

こちらは、まだ主治医に話す時期では無さそうだけど、心にとめておきたい。

【進行肺がんにオペ?】進行期EGFR陽性肺腺がんに対するTKI治療後の手術は予後を延ばす - キュート先生の『肺癌勉強会』 (hatenablog.jp)

 

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