振袖を仕立て直して愛娘へ | 藤工房(和裁士うりぼーと店長かめさん)の徒然日記

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振袖のお仕立て直しをお受けいたしました。
お母さまがお召しになった振袖を小学生の娘さんに仕立て直すという内容です。
 
お母さまの振袖は白地に紅型風の彩色を施したかわいい柄でした。
お気に入りの一枚だったのでしょう、着用感があり、時間の経過とともについていたシミが跡となって所々残ってしまっていて、広範囲な状態。
 
染み抜きでもかなりの額になってしまうのと、お嬢さんサイズに仕立て直すということですべて解くので、いっそ汚れが目立たないように薄く色をかけましょう、ということになりました。
 
小学生がお召しになるのに渋い色ではかわいそうですからかわいらしい色で、かつシミが目立たなくなる色に無地染めし、それでもやや残ったきつい部分のみ地直しをします。
 
そしてお仕立て寸法は、十三参りにも着用できるサイズに本仕立し、肩揚げ腰揚げ袖揚げをしました。
 
 
ちょうど新年の踊りの発表会に合わせて年末に揚げ寸法を調整し、立派な舞い初め会をされたとメールと画像を頂戴いただきました。
 
 
 
ご実家からおばあさまも駆け付けたそうで、一枚の振袖を通してご家族の思い出がまた一つ増えたんですね。
お手伝いが出来てとても嬉しく思いました。

レンタルもいいかもしれませんが、一度しか着ないという着物は無いと思います。
それにお召しになった着物には家族の大切なストーリーが必ず存在しますし、それがご家族にとっての大事な宝物かと思います。
 
着物を大事に受け継ぐ方がもっと増えていただけたら嬉しいです。