エヌウィードの映画&舞台「向日葵」を21日に観てきた。

・・・感想を書く前に、観ていて思い出した童話のお話をo(^-^)o

この舞台では「届かない手紙」が重要アイテムになっている。

「届かない手紙」という設定なら結構あるよね。映画「硫黄島からの手紙」だってそうだし、すぐにいくつも浮かんでくる。

そして、その郵便物を扱う郵便局員さんも、この舞台では重要な役割を果たしている。


「手紙」と「郵便屋さん」の絡む「いいお話」の数々。

本稿のチェコの作家・チャペックの「郵便屋さんの話」も、その一つだ。


この童話、どれくらい知られてるんだろう?

僕はガキの頃小学館の「世界の名作文学」の中で知ったのだが(名前が全部英語になってた(;´Д`)ノ)、図書館でも別本を見たし、学習雑誌でも見た。

僕ら世代では、他の作品も含め、作者名はともかく、童話のいくつかを「何となく知っている」人も多いと思うのだが。


僕はこの人が大好きで、それこそ片っ端から読み漁ったものだ。

SF分野の「山椒魚戦争」などは高校時代、自由研究の題材にも使ったくらいだ。

人間が労働させるために作った人造人間を描いた戯曲「R・U・R」で、チェコ語の「労働」を意味する「ロボタ」から「ロボット」という言葉を作り出したのもチャペックだ。


つまり「ロボット」の生みの親\(゜□゜)/

・・・その割に知られてないのはなぜだろう?(・_・;)

「R・U・R」だって奥深い、ずいぶんいい話なんだが(´・ω・`)

まあいいや「郵便屋さんの話」


郵便局員のコルババさん、郵便配達の仕事が嫌になっていた・・・仕事は単調で辛いし、届けても請求書とかDMとか、ほとんど喜ばれるものもないし(´_`。)

・・・今日も心身ともに疲れ果て、郵便局で眠ってしまったコルババさん。

深夜にふと目を覚ますと、たくさんの小人たちが小さな制服を着て、昼間の人間達と全く同じように、手分けして郵便業務をやっているではないか∑(゚Д゚)

そのうちに休憩時間となったらしく、手紙を使ってトランプを始めた。


小人たちは透視能力があるので手紙の内容がわかる。

なので、その内容でカードの強弱を決めているのだ。

ウソばかり書いた手紙が最弱、その次が義理でしょうがなく書いた手紙・・・から始まり、強いのは嬉しいお知らせ、親友同士の便り、もちろん最強は真心こもった愛の手紙、まで(^_^)v


フツーの人間であるコルババさんにはできない芸当だが、その日以来郵便配達に対する考え方が変わるヽ(゜▽、゜)ノ

手触りで、何となく温かいものは愛の手紙、逆に冷たいのはウソばかりの手紙とか、そんなことを感じるようになってきたo(^-^)o

・・・そうなると不思議なもので、手紙を出す人待つ人のことが想像され、配達の仕事がとても楽しくなってきたのだ(*^o^*)


そんなある日。

宛先ナシ差出人ナシ切手ナシの、どーしようもない手紙を見つける。

だが、手触りがとても温かい(*^▽^*)

気になって小人たちに手紙の内容を読んでもらうと、それは正しくプロポーズの手紙だったヽ(゚◇゚ )ノ

フランチーク君からマジェンカ嬢に宛てたもので、待たせたがやっと仕事を見つけたので、どうか結婚してもらいたい・・・という内容。


そのことを知ったコルババさん、この手紙を処分することなど絶対できない(°д°;)

何とかして届けてやろうと、固く心に決めたのです(`・ω・´)ゞ

・・・ふふふ。

舞台「向日葵」を観た方、ここでニヤリッとしたでしょう(^ε^)♪

・・・僕も、それでこの童話を思い出したんだから(^_^)v


それから宛先探しの旅が始まるが、何しろキイワードは「フランチーク」と「マジェンカ」のみ(・Θ・;)

・・・チェコには多い名前なんでしょうな。

何しろ、マジェンカさんとフランチーク君を大勢見つけたが、誰も宛先人ではなかったというくらいだから。

そうして1年と1日経った日(この日数、メルヘンだなあ(´∀`))、ようやく2人を引き合わせることが出来たのだ(*゜▽゜ノノ゛☆

え?

詳しい内容?・・・知りたかったら読みなさい( ̄ー ̄)、ここまでバラしたってネタバレの次元じゃないから。

それに、この人の童話集って、他も全部いいお話ばかりだし。


・・・このお話で一番好きなのは、コルババさんが仕事が楽しくなる部分(^O^)

どんなお仕事だって、辛い時もウンザリする時もある。

誰にも感謝されないことも多い。

けどね。

どんなお仕事だって必ず誰かの役に立ってる(だからこそ、その仕事が成立する)んだし、ないと不便で困る人だっているだろう。

ことに、データばかりを扱う部門ではそのことはわかり辛いが、そのデート一つひとつにそれに関わる人の想いが込められてると思えば、使命感も達成感も高まり昂揚する。


自分の仕事への誇りが持てれば、人生ずいぶん楽しくなるし。


チャペックさんも、そのことを言いたいからこそ、このお話を書いたんじゃないかな。


・・・この童話のラスト、コルババさんはちゃんと、ハッピーな2人からこの手紙の切手代を徴収する。

プロが、勤めを果たしたんだから、当然のこと。

ここ。

社会人になってから、特に好きo(〃^▽^〃)o