富士火山研究所

富士火山研究所

富士火山研究所は、富士山南麓にある小さな研究所です。
富士火山の地質、富士山を取り巻く環境、富士山の歴史的な変遷、文化について研究しています。




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ホームページを開設しました

富士山のもろもろを紹介していくホームページを開設しました。

他にはない切り口で富士山の姿を紹介していこうと思います。

ぜひご覧ください。

https://fujikazankenkyusho.themedia.jp


 2015年10月5日、6日と2日連続での、日本人研究者の受賞
本当におめでとうございます。(バンザーイ
!)

今回受賞されたお二人に、個人的な関連、(といってもひどく遠く、間接的ではあるのですが)
があり、個人的に感じた感想を書きたくなりました。


医学生理学賞:大村 智、北里大学 特別栄誉教授   


私の,愚息が現在、北里大学に在学中で、このニュースが飛び込んできた時、
「すごい!北里大学 きたーーーー。」と心の中で叫んでしまいました。

北里大学といってもピント来ないかたが多いかもしれませんが,
細菌学の父,北里柴三郎が開設した「北里研究所」から「北里大学」が開学しました



「日本学生科学賞」中央審査と表彰式


第55回日本学生科学賞の中央審査と表彰式の模様です。


理科自由研究の到達地点の一つがここにあります。
  
  ●火山噴火予知について

今回の御嶽山噴火において被害が大きくなってしまった要因を挙げてみると
     
 

○噴火当日は、紅葉シーズン真っ盛りの土曜日で
 多くの登山者が火口近くに滞在していた。

○ほぼ何の予兆もなく噴火活動が始まった。

○頂上付近にいた人々が御岳山が噴火するという認知がほとんどなかった。

○登山道、山頂などで噴石、火山灰に対する防御設備が乏しかった。

○比較的、安易に登山できる山であったため、登山経験、
知識の少ない登山者が多かった。

などがあげられると思います。

いずれの要因も、早期に噴火予測がなされ、警告されていれば、
被害はもっと減らすことができた、ということができます。

(マスメディア、報道機関では、このことを
無知無責任に追求する傾向もあるようですが怒り、)

ただ、今回の御嶽山の噴火が予測できたかどうか、となると

現在の技術、知識では、不可能であったと、言わざるをえません。

自然現象の予測、予報は、科学的、統計的な裏付けがなければできないことで、

火山噴火は、予兆があったからといって、それが即、予測、予報になる、というものではないのです、

予測、予報というと真っ先に思い浮かぶのは、天気予報などの気象予測ですが、

天気予報の場合、地上及び上空の、目に見える場所で発生する自然現象で
毎日、毎時、観測ができ、過去の解析データが膨大にあり、
そのデータ量は、膨大であるがために、統計的にくわしく解析することができます。
また、現在、その観測、解析技術は、人工衛星による画像解析、リアルタイムレーダー解析
など、技術的な発展は目覚ましく、数分先、半年先、数キロ単位の予報すら可能にしています。

 その天気予報、予測に比べ、地震や火山活動の予測、予報は非常に難しいのです、

なぜなら、目に見える地上の天候と異なって、地下の目に見えない場所で発生する
また、天候の現象は、毎時毎時、発生しますが、地震や火山噴火は、
天候のように、毎時毎時ではなく、突発的に発生しています。

規模の大きなものは、何十、何百年、何千年に一度あるいは何万年に一度、
発生するかしないかの、レベルの発生率であるため、データの蓄積は少なく、

そのため、統計解析の確度は非常に低くなってしまいます。
解析の確度が低いということは、予想がひどく難しくなってしまうということです。

たとえてみると、1日100人にアンケートを取り続け1年間で
3万6000人のデータが取れるのに比べ。

1年間に1人のアンケートしか取れない場合、
1日100人のアンケートが取れる場合と同じデータを集めるのには
3万6000年の年月をかけデータを集めなければならないことになります。

このように、天候の予測と、地震、火山活動の予測とは、
あまりにもかけ離れたレベルであるのです、

これは研究者、気象庁、研究機関の怠慢でもなんでもありません

彼らは、気まぐれな地球を相手に、少ないデータをもとに予測しなければならない
苦行ともいえる作業(研究、観測)を日々続けているのです。

またその予測結果を実証する機会は極めてまれで、
実証ができたら奇跡だともいえます。

予測が外れるほうが当たり前と考えたほうがいいレベルなのです。

ただそのような状況下でも研究技術の大きな進歩はあります。

傾斜計、GPS観測、などの観測方法、
山体膨張、火山性微動、火山性地震の解析技術
スーパーコンピューターを使った解析シミュレーション技術など

ここ10数年ほどで目覚ましい進歩を遂げています。

この技術から、今回の御嶽山の噴火においても
気象庁から、噴火の可能性について事前に情報が発せられていました。

下の文章は、実際に発せられた、気象庁発表の「火山状況に関する解説情報」です。
9月27日の噴火前の
9月11日から9月12日、9月16日の3回「火山状況に関する解説情報」
が発表されています。

9月11に発表された第一号の解説情報は9月9日から火山性地震が増えて
10日が51回、11日が49回と、火山性地震の増加したのを受けて
解説情報という形で発せられました。
この時点では火山性微動は発生していないため
噴火の予測としてとらえるのではなく
あくまでも、火山活動が起きる可能性があるというレベルでの
情報にとどまっています。

2014年9月11日の「御嶽山 火山状況に関する解説情報」第一号
 
 翌日の9月12日にも解説情報が出されました、
これは前日の 火山性地震が、85回と2007年の前回噴火のときの
80回の火山性地震の回数を超えていて、さらに火山性地震が継続
して発生したため、発表されたものですが、

防災上の警戒事項等は前日と変わらず。
噴火予報も警戒レベル1で平常となっています。
この時点では火山性微動も認められず、
前日と同様火山活動発生の予測までに到るデータはなく
あくまでも、火山活動発生の可能性に触れるだけとなっています。

 2014年9月12日の「御嶽山 火山状況に関する解説情報」第二号
 
9月16日に発せられた第四号の火山の状況に関する情報では9月
12日以降4日ぶりの情報発表で、これは、9月12日10回、13日7回
14日8回とこの3日間が少なかったのに対し、15日から再び
二桁の回数に増えたため、この情報が出されました。
警戒情報は、前2回と変わりがありません。

2014年9月16日の「御嶽山 火山状況に関する解説情報」第三号
 
9月26日11時53分に水蒸気噴火が発生
御嶽山の噴火は、噴火速報として伝えられ、
火山周辺警報が報じられ噴火警戒レベル3入山規制がとられました.

噴火の12分前に初めて火山性微動が発生しました
火山性微動はこれ以前に発生しておらず、
噴火予測にとって重要な火山性微動は、噴火の12分前と
とても予測解析できるレベルの時間経過ではなく、
ましてや警報を発する時間的な余裕はなく。
突然水蒸気噴火を起こしてしまったのです。

2014年9月27日の「御嶽山 火山状況に関する解説情報」第四号
 
以上が、今回の御嶽山噴火前から噴火までの、気象庁が発表した
「火山状況に関する解説情報」です。

 この一連の情報から、火山噴火の予知予測の難しさが垣間見えます。

 それは、具体的な火山性地震が起こっているにも関わらず。
火山活動が起こる可能性があるという、情報を発するのにとどまってしまい
避難情報や、警戒レベルの変更などが行えなかったことで、

 この原因は、なんといっても、
噴火予測に至るまでの予兆のデータが
あまりにも少なかったため予測までに至らなかったからだと思います。

火山噴火からの被害を減らす(減災)のためには今後どうしたらいいのか
今回の噴火によって多くの教訓、を残したのではないのでしょうか。

引き続き噴火災害をどう防ぐか、どうすれば防げるのかを
考えてみてみようと思います


《次の記事に続く→
 
●近年の火山噴火被害と御嶽山噴火被害比較

御嶽山の水蒸気噴火によって
多くの犠牲者が出てしまいました
戦後最大の火山噴火災害となってしまいました。

誰も、予想しえない、状況下での出来事でした。

日本では、過去、多くの火山災害に見舞われてきました。

今回の御嶽山の水蒸気噴火は火山の噴火規模とすると
ごく小規模な噴火であったにもかかわらず、このような被害が出てしまいました。

 近年の噴火活動では、大島三原山の溶岩流流出、雲仙普賢岳の火砕流発生、有珠山の噴火、霧島新燃岳の噴火、桜島の噴火などがありましたが、いずれも今回の御嶽山の噴火に比べ、噴火そのものの規模は大規模なものでした。


 噴火そのものは大きかったのに、被害が比較的少なかったのはなぜなのか?

逆に今回の御嶽山ではこのように多くの犠牲者を出してしまったのか?

雲仙普賢岳の場合
 1991年の雲仙普賢岳の噴火では火砕流によって、死者不明者43名が出てしまいましたが、
(今回の御嶽山の被害以前としては戦後最大)
この犠牲者は、消防、警察、報道機関、火山研究者などで、一般人は3名にとどまりました。
くわしくは「消防防災博物館:調べる-報告書-災害の記録集手記-災害レポート-まさかの噴火にて、
 http://www.bousaihaku.com.
   
噴火活動開始当初の普賢岳火口と、発達していく溶岩ドーム
  
     
崩壊寸前の溶岩ドームと、溶岩ドーム崩壊によって発生した火砕流

      
山麓部まで達した、火砕流 
 
  
火砕流から避難する消防、火砕流通過後の状況

●伊豆大島三原山の場合
1986年の大島三原山では、溶岩の噴出、溶岩流の発生など、
大規模な噴火活動でしたが。
 島民全員を避難させる前代未聞のプロジェクトにより、被害者を出さずに済みました
    
ハワイ式噴火によって、マグマを吹き出す三原山火口と溶岩流 
1986年に流下した溶岩流
    
大島島民全員が避難した     

 

●北海道有珠山の場合
近年では1977年、2000年の2回、
いずれもマグマ水蒸気爆発(噴火)が発生しています。
1977年の噴火では、噴火後の泥流災害で3名の犠牲者が出ましたが
噴火そのものでの、被害者はありませんでした。
2000年の噴火では、人的被害はありませんでした。

    
1977年噴火時の噴煙と降灰被害 
    
2000年噴火時の溶岩ドーム

   
2000年噴火時の噴煙  

上の3つの噴火災害以外にも日本では火山災害が頻繁に発生しています。

今回の御嶽山の噴火のような多くの犠牲者を出さずに済んできたのか?

考えられるのは、噴火開始前あるいは噴火活動が活発化する以前に
警告が出され、また避難が行われていたことによって、
最小限の被害で済んだとみられます。

また、それぞれの噴火の形態の違いが大きかったとも考えられます、
これまで被害が発生した火山噴火の多くは、
マグマの移動や膨張に関わるマグマ噴火でした

マグマの移動や膨張が関わる噴火では、
噴火以前に山体そのものが膨張するため、
火山性地震、火山性微動、山体膨張などの
明確な予兆があるため、
警告を発することが可能であったのですが。

今回の御嶽山の噴火は、水蒸気噴火であって
マグマ自体の動きが、ほとんどなかったため、
噴火の予兆が、軽微な火山性微動でしかなく
その発生時間もごく、短時間で、さらに噴火直前であったため
山体からの予兆が、予測にまで至らなかったことが
被害を大きくしてしまった原因の一つと考えられます。

この水蒸気噴火は、火山活動全般から見たら、
ほんの小規模な活動イベントであったことが
逆に被害を大きくしてしまったとも言えるのではないかと思います。

 



2014年9月27日御嶽山が、噴火しました。

ほとんど前兆のないまま噴火したようです。

登山者、また御t嶽山で働く人で、被災した方のご無事を切に願います。


 また、救助活動にあたっている、消防、警察、自衛隊の方々は十分気をつけてください、雲仙普賢岳噴火の、火砕流発生時の、二次災害の様なことは2度と起こしてはいけないと思います。



 御嶽山の水蒸気噴火は比較的短周期で発生していますが。

今回は、ほとんど何の前振り(前兆もなく)噴火してしまい、また

紅葉シーズンの週末で、登山者が多いときの、間の悪い時に噴火してしまったようです。


 御嶽山は1979年に今回と同様の水蒸気噴火を起こしました、これ以前2万年以上噴火を起していなかったのです。

(この噴火以降、日本の火山分類から「死火山」が外された)


 火山の活動は極めて気まぐれです。

 マスコミでは、なんで予知が出来なかったのかと、暗に気象庁、研究機関を指摘する傾向が見え隠れします。


 地球の地下のことは、宇宙のことが判らないぐらい、判らないことが多いのです、地上1万メートルのことは見えても、地下1万メートルは、誰も見たことはないのです。


 「人智を超える」という言葉がありますが、まさに科学研究、や過去のデータを超えることが起こるのが、地球の活動です。


 また火山活動の時間スケールは、人間の時間スケールとあまりにも違うのです、1千年、1万年、10万年 、、、、、、億年単位のサイクルで発生するものを、100年そこそこの観測データを使い完璧な予知することなど、どう考えても無理な話であると思います。


 多くの火山研究者をはじめ、地質学、地球科学などの研究者は、その無理な課題を無理を承知で研究しているのが現実ですが。


 その中で、いかに自然災害から、人々を守ることが出来るのか、その努力をしているのです。














 「つれづれの記」
 身の回りにはよく見ないと、見落としていることがたくさんあります。
 忙しさにかまけていると、なかなか気付かないことが、
 ちょっと気を抜いてぼーっと見てみると、意外なことが見えてくることがあります。
 そんなつまらないかもしれないけど、ちょっとすごいかな?を
 「つれづれの記」
で書いてます。

●台風来襲の予兆 富士山の笠雲2
10月6日に台風18号が富士山頂を通過したばかりなのに。
また台風19号が接近通過して行きました。
台風18号では、富士山麓部及び静岡県内で、大きな被害が出ましたが、
幸い台風19号の被害は少なくて済みました。

 台風18号では、その、通過の3日前に、典型的な笠雲が発生し
この笠雲発生が台風通過の予兆であった、可能性は大きかったのですが。

 台風19号では、笠雲は発生したのか?
その笠雲は、台風の予兆であったのか?
また、この台風18号、19号と笠雲の関係を分析してみようと思います。

台風18号、19号通過以前から通過までの経過を、
富士市のホームページ上で公表されている、富士山ライブカメラ
の画像を利用させてもらい、解析してみました。
(可能な限り、目視観測をしていたのですが、私にも仕事があるため
写真撮影を自らする機会が少なかったため、やむなく、この方法をとりました。)
この画像は富士市が公開している
富士山ライブカメラで見ることができます
http://www2.city.fuji.shizuoka.jp/livecamera/
「富士市富士山ライブカメラ」で検索できます。

台風18号19号の発生以前の10月2日から台風19号接近の10月13日
までの、富士山の雲の状況と、笠雲発生を時系列で分析したものを、
スライドショーにして、まとめてみました。

  
  
  
 

「つれづれの記」
 身の回りにはよく見ないと、見落としていることがたくさんあります。
 忙しさにかまけていると、なかなか気付かないことが、
 ちょっと気を抜いてぼーっと見てみると、意外なことが見えてくることがあります。
 そんなつまらないかもしれないけど、ちょっとすごいかな?を
 「つれづれの記」で書いてます。

●台風来襲の予兆 富士山の笠雲
 
富士市富士山ビューカメラより(2014年10月3日9:00)

 富士山周辺で暮らす人は、昔から富士山にかかる、雲で天気を予測してきました。

 とくに、「笠雲がかかると雨が降る」ということは、小さな子供でも知っていることで、この地域では、ほとんど常識のようなものですが、実際にあたるのです。

 上の写真は2014年10月3日午前9時の富士山の画像です。
富士山頂から八合目付近(約標高3800~3200m付近)にへばりつくようにして、三角錐の形をした雲が見えます。

 この、三角錐の形をした雲のことを、「笠雲」と言います、「傘雲」ではなく「笠雲」です、つまり「こうもり傘、洋傘」の形ではなく、日本古来の「菅笠」と、呼ばれる、頭に被る「笠」の形からこう呼ばれます。
 まさに富士山が被る雲の「笠」なのです。
 
 
  富士山にかかる笠雲はいろいろな形、パターンがあるのですが、その多くは、富士山の山体とは、少し離れて出来ることが多く、上の写真のように、山体に密着して笠雲が発生することは、あまり多くありません。
 
 私の経験上、このように富士山に薄く密着した笠雲が発生したときには、数日後に、暴風雨を伴った猛烈な嵐となります。

 今まで、数回、このような笠雲を見ましたが、ほとんど100パーセントに近い割合で暴風雨になりました、その多くが台風によるものだと記憶しています。

 とくに、今回のような、ごく薄くきれいな、菅笠のような形の雲がかかると富士山の至近距離あるいは富士山そのものを台風が通過するのです。
(つまり静岡県沿岸部に上陸して、通過する台風)

2014年10月3日の8時過ぎから9時ごろにかけてに、私は、この笠雲を自宅から見たとき、間違いなく大きな台風が富士山に向かって来るんだな、と確信に近い予測をしました、

 実際この時点で太平洋上で台風が発達していました、
 
2014年10月3日の気象衛星からの台風18号の画像
(この時に富士山の笠雲が発生している)

 山にかかる、雲の状況などを見て天気を予想することを「観天望気」と言いますが、富士山の笠雲による天気の予想は、この典型的なものです。

 私自身、子供のころ、私の父から、富士山にかかる雲を見ながら、「この雲がかかると明日は雨、この雲は風が吹く」、などと教わりました。

 この父の、予想は、ほとんどあたっていていました。

 また、私自身も、毎日、富士山を見続けて、ウン十年になり、父以上に富士山の雲を見て、天気を予想でできるようになったのではないかなと、思っています。 
 はたして、私の今回の予測はどうなるのでしょうか?
 
富士市富士山ビューカメラより(2014年10月3日5:00~19:00ごろ)

      
 富士山の笠雲の変化
 
 
 現在、2014年10月5日23時06分ですが、台風は確実に近づいています,今後どのような状況になるのか見守りたいと思います。
何事もなく無事に過ぎることを願いつつ。
”おやすみなさい・・・・・”
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一夜あけました。

結果このようでした。
  
 2014年10月6日10時ごろ(台風18号通過直後)
 
  
  ほぼ同じ位置から写した過去の写真


  
周囲約1km四方が冠水し湖のようになってしまいました。

 富士五湖からの景色でも田貫湖からの景色でもありません、富士南麓のただの田園です。

 結局今回の台風18号は、2014年10月6日8時ごろ、静岡県浜松市に上陸して、まっすぐに、富士山に向かって進み富士山上空を通過していきまました。

    
 2014年10月6日10時の気象衛星からの台風18号の画像とレーザー画像
まさに、この時点で、台風が富士山頂地点を通過している。

 富士山南麓、特に富士市では、時間雨量50mmを超える雨量を記録し、前日からの雨と合わさり、2014年10月6日8時~10時にかけて多くの場所で冠水しました。
 潤井川(富士山大沢崩れを源流として田子の浦港に注ぐ富士市中央部を流れる1級河川)周辺の田園地帯は、湖のようになり、周辺道路は冠水のため車両の通行が不可能な状態になりました(上の写真)
 
  長年この地に住んでいますが、私の記憶には、ここまでの冠水は記憶にありません。
 
結果として、富士山の笠雲による予測は、ピタリと的中しました。

台風18号は2014年10月6日9時過ぎに富士山頂地点を通過して行きました。

このように、富士山の笠雲による、天気の予測の当たる確率は非常に高いのです。

3776メートルという日本最高峰の気象状況が、このような予測を可能にしています。
(笠雲と気象予測、またその科学的根拠については、また、あらためてお話ししようと思います)

 また、過去富士山麓に住む人々が毎日のように見続けて、富士山と富士山にかかる雲、そして、その状況と、天気をはじめとする、自然現象を結び付けて、生活に必要な情報を得てきた継承が、いまだに続いていて、その継承を、私自身が、父から受け継いできたことのすごさを、この台風襲来によって再認識しました。

 この台風18号による、被害は、東海道本線由比のがけ崩れ、静岡市清水区などの多くの浸水被害はありましたが、静岡県内の犠牲者はなく、被害は最小限に抑えられたのではないかと思います。

 静岡県では、地震、火山噴火をはじめ自然災害に対して、古代から敏感に接してきて、その危機意識が継承され、自然災害は多いのですが、犠牲者が少ない傾向があります。

 自然災害から身を守るため、自然が事前に発する警告を感じ取る、感性を持つことが、重要なのでは?
と改めて感じた、今回の台風通過の顛末でした。

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 また、台風19号が近づいています
 笠雲が、また、かかるのか?観察したいのですが、
残念ながら、10月8日、9日と富士山が見えませんでした。

タイミングとすると、明日あたり、ちょうど、笠雲がかかるタイミングですが、、、、。

明日 (もう今日か?!) 10月10日は降水確率10%なのでチャンスかもしれません。

早起きして、頑張って観察しようと、おもっています。
(すでに現在1:08起きられるかな?)
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。



  
 
 

 




 「つれづれの記」
 身の回りにはよく見ないと、見落としていることがたくさんあります。
 忙しさにかまけていると、なかなか気付かないことが、
 ちょっと気を抜いてぼーっと見てみると、意外なことが見えてくることがあります。
 そんなつまらないかもしれないけど、ちょっとすごいかな?を
 「つれづれの記」で書いてます。

●首あり地蔵の怪


 

 白糸の滝周辺を調査中、曽我兄弟の隠れ岩、を散策していたところ、
ちょっと違和感を感じた石仏がありました。
 

他の石仏群から少し後ろに立つ、お地蔵様があったのですが
その首はなく、よくある首なし地蔵だと思ったのです。
(石仏の場合どうしても首の部分が構造的に弱いため経年劣化で自然に首が落ちたり、廃仏毀釈で意図的に落とされたものがよくあるので決して珍しいことではないのですが)
 
 でも、そのない首の上、に扁平な玉石が載っているのです、
まあ、これもよくあることなのですが。

 その玉石に、明らかにサインペンで書かれた、顔が描かれているのです。
 その黒い線だけで書かれた「お顔が」、実にいい笑顔をしているのです。

地蔵拡大



この「お顔」に気付いた時、
思わず一人で、吹き出してしまいました。
 どなたが描かれたかわかりませんが、
いいセンスをして、優しい方なんだろうな、と思い描く半面。
 いたずら書きの範疇に入ってしまうのかなー?
という微妙な感覚があったのですが、、、、、、。
でも不愉快ではないし、なにも傷つけていないし
いいのかなって、感じです。
 ちょっとほのぼのでした。