人間の証明 | 藤川忠彦

藤川忠彦

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の別館予定。

<P>image.jpg年末年始になにを読もうかと茅ヶ崎の書店をぶらついて見つけたのがなぜか平積みにされていた『人間の証明』。<BR><BR>高校生の頃に「観てから読むか、読んでから観るか」というキャッチコピーで角川映画と角川文庫のメディアミックス(?)的手法でテレビコマーシャルががんがん流れていたのを憶えている。同時にジョー山中(元フラワー・トラベリング・バンド)の「ママぁ~、ドゥ ユ リメンバー」という英語の歌詞の曲が頭の中に流れてくる。<BR><BR>映画を(たぶんずいぶん後にテレビで)見た気もするが、被害者が黒人で犯人が女性だったってことぐらいしか憶えていない。<BR><BR>で、25年ぶりぐらいの再会。読んでみた。<BR><BR>めっちゃくちゃおもしろ~~い!<BR><BR>ストーリもさることながら、文章のレベルが高い。たとえば、刑事が田舎町の風情を感じるシーンでは…</P>
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 すでに秋の陽は西山に傾きかけて、八尾の町は夕景の中にあった。低い家並みの下に炊煙が夕靄となってたな引き、ただでさえも優しい町の表情をいっそう和めている。<BR> 木立と家がほどよく混在し、その間に夕日に赤く染色された井田川が蛇行している。おちこちに鏡を浮かべたように茜の光を砕くのは、沼か水たまりか。それらの光をじっと見つめていると、やがて、太陽の移行とともににじみ出す暮色の底に色褪せてしまう。それらのいくつかは、民家の屋根だったと気がつくころは、暮色が一段と深まっている。<BR> 頭上には冬将軍に明け渡す直前の北国の空が、秋の最後の彫琢を施された深い透明な画布となってひろがっている。一日の最後の光が徐々に西の天末に蜜のように凝縮されて、天心に残った数条の巻雲を、濃紺のカンバスに一刷のピンクの色彩を引いたように染めている。風のない穏やかな夕方であった。



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<P align=left>…と表現されている推理小説。昔ながらの社会派推理小説。<BR><BR>オススメです。</P>
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<P align=center><BR>人間の証明<BR><BR></P>