男ってほんとベーコン好きね・・・・

「男って馬鹿ね」みたいなテンションで言われても、と思われた方、よく考えて頂きたい。
男って生き物はベーコン好きじゃないですか?
いやベーコンに限らずハム、ウィンナー等燻製全般が好きなイメージです。好きと言うより男の食べ物というイメージが強いです。
「燻製=男」のイメージは僕が子どもの頃にやっていた日本ハムのCMに起因していると思っている。
雄大な景色の自然、鬱蒼とした森の中、焚き火を前にしてヒゲもじゃもじゃの大男がナイフでハムを切って食う。
そうあの大男は・・・・『CWニコル』だ!!
私にとって『ハムの人』は『別所哲也』ではなく『CWニコル』その人なんです!!
CWニコル程の「男感」と共にハムをイメージ映像の中に植え付ける。僕の頭の中にはしっかり男=ハムというイメージ映像がインプリンティングされているのです。
それにしてもあのCMのハムは旨そうだったなぁ・・・・
実際やってみた事はないけどあの食べ方は旨いに違いない!キャンプやトレッキング等の類いに馴染んで生きてこなかった僕は、今だにあのCMの食べ方が燻製がベストパフォーマンスを発揮出来る食べ方だと信じています。

でもハムもウィンナーもベーコンもちょっとお値段が高いですよね・・・・
肉を下処理したら、長時間塩漬け、燻製と乾燥をしてやっと出来上がる。
時間と手間暇かかってるんです。
そりゃお値段もそこそこはりますわな。
1つ1つ手作りで仕込んでます系のとか、おっ!!と一瞬驚く値段だったりしますね。
そう考えたらお中元、お歳暮によくハムやベーコンの詰め合わせが使われているけど、あれを始めた人は良いセンスしている。
自分で買うには若干お高いという横軸のラインと、貰ったら嬉しいという縦軸のラインがちょうど良きポイントで交わってる気がする。

そうだよなぁ、手間暇かかってるから値段もそれなりにするよな、手間も暇も、手間も暇も、、、

・・・・!?

手間暇だって
あるじゃないか!今この手に!!
手間も暇も有り余っているじゃないか!!
燻製業界がおこなった日本の文化への巧みなマーケティングを前にそもそもの自分のコンセプトを見失う所だった。

よし!!手間も暇かけて燻製を作ろう!!!!

でも燻製ってどうやって作るんだ・・・・
何となく木片?みたいなものを燃やしてその煙でスモークするのはわかる。
うぅぅぅん燻製なんて、「よし作ろう!」でサクッと出来ないからな・・・・
これは1から燻製についてお勉強した方が良いんじゃないか?

・・・・というわけで『 工場見学 』に行こう!!
わからないんだったら燻製を作っている所を生で見て作り方を勉強してこよう!
こちとら時間があるんじゃ!!

「燻製 工場見学」で検索検索〜♪
おぉあるじゃないか!
ええと『 鎌倉ハム 』か。

いざ鎌倉!!
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というわけで神奈川県は鎌倉市の「大船駅」に到着。
写真では全く伝わらないので言いますが、この日は朝7:30に起床して電車を乗り継ぎ1時間半かけて大船駅に行きました。もはやプチ旅行です。
小雨降る極寒の大船。
駅からスマホのルート案内を頼りに徒歩で工場に向かいます。
燻製は、燻製はまだかあぁぁぁ・・・・

極寒の中20分程歩くと工場らしき建物が見えてきました。
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はい、めちゃくちゃ裏手に到着しました。
ナビだったりマップのルート案内を頼りに行くと目的地の裏だったり反対側に辿り着く事ってよくありませんか?
ナビあるあるとして認定しときたい位の頻度では遭遇してます。

今回工場見学に来たのは『 鎌倉ハム 富岡商会 』さん。入り口にはさっそく「工場見学にようこそ」の文字が。歓迎されているじゃないか。
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事前にネットで調べた所工場内をガイド付きで見学出来るツアーがあるらしくそれを予約してあります。
燻製ビギナーな僕は1から手取り足取りご教授願いたい!
というわけで受付に行くと広報の担当の女性が既に待ち構えていました。
(以下会話中、藤井21→藤 広報担当ガイドさん→ガ)

僕「あのぉ、見学ツアーを予約したんですけど・・・・」
ガ『あ!藤井さんですね!お待ちしてました!』

受付で待ち構えていた担当の方から首から下げるカードを渡されたので、早速首から下げる。番号は1番。
周りを見ると僕の他に誰もいない。
これは・・・・早く着きすぎたか?
見学ツアーは10:30スタートの予定、現在時刻は10:20。
これは工場見学が楽しみすぎてウキウキで早く着きすぎた人になってる。
いや楽しみだけど、なんかカッコ悪い!
ちくしょう、少し早いなとは思ったんだけど工場周りに時間を潰せるところが何もなかったんだよ、、、小雨は降ってるし寒かったし、、、、
と10分前行動の自分を戒めていると、

ガ『藤井さん、ツアー参加者が揃ったのでよろしければスタートしますが?』

んっ????
ツアー参加者が揃った?????
あれから誰も来てないぞ?????
明らかに1人しかいないんだが??????

僕「あの〜僕しかいないんですが、もしかしてツアー参加者って僕だけですか?」
ガ『そうなんですよ。今回のツアーの参加者は藤井さんだけなんですよ。だからよろしければちょっと早いんですけどスタートしますね』
僕「あ、わかりました・・・・」

まさかサシで工場内を周る事になるなんて思ってもみなかった。
しかも担当の方は女性、、、、これはちょいとしたデート気分で楽しめるんじゃないか・・・・ゴクリ。

ガ『まずは日本におけるハムの歴史と共に私たち鎌倉ハム富岡商会の歴史を知って頂きますね』
藤「はい、よろしくお願い致します」

工場見学スタート!!
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ガ『 1863年、ペリーの黒船来航から10年経った日本にウィリアム・カーチスと言うイギリス人が来航しました。カーチスは農園を作り農園を作り日本に滞在する外国人向けに西洋野菜の販売を始めました。やがてカーチスは・・・・ペラペラペラペラ』
藤「・・・・」
ガ『鎌倉ハム富岡商会の創業者富岡周蔵は駅弁の製造・販売を行っていましたがそこでハムサンドウィッチを売り出したところ、これが評判となり・・・・ペラペラペラペラ』
藤「・・・・」

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これは・・・・会社の歴史を詳しく説明してくれてる、、、、
学校の歴史の授業ばりに説明してくれる広報さん。
この時僕が心の中で全力で考えていた事は「ハムの作り方早よ」でした。

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伝統的な燻製作りに使われているらしい道具も展示されていました。
紐は肉を縛るためのものだろう。カーテンに付ける金具みたいな形状のものはよくわからない。
布???
んんんん、、、こんなよくわからない専門的な道具がないと燻製は作れないとは燻製道奥深し、等と考えていると広報さんが僕が何故見学ツアーに来たのか聞いてきました。
僕がよほど退屈な顔を晒していたのか雑談も織りまぜてツアーをしてくれます。大変申し訳ない。

ガ『 えーと、藤井さんは何でこの鎌倉ハムの工場見学にいらしたんですか?』
藤「いやーあの、、、実は自分で燻製が作りたくて燻製ってどうやって作るんだろうと思いましてそれでネットで検索したらここが工場見学出来るって出てきたので、、、、」
ガ『あーなるほど、そうなんですねー。すいません工場見学はメインが会社の歴史だったり鎌倉ハムの歴史になってますので、もしかしたらちょっと退屈かも、、、、、』
藤「いやいやいやいや!!そんな事ないです!!超楽しいです!!いやー実に興味深いです!!!!鎌倉ハム最高!!」

・・・・

そんなこんなで進んでいるとこんなものが、
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燻製が出来るまでの工程。
これや!これや!!わいが求めてたんはこうゆうことやねん!!
どれどれ?




・・・・燻製って工程多くて案外作るのめんどくせぇ。
伺ったところによるとどうやらハムやベーコン等のザ!燻製!といったものは1から作ろうとしたら時間も労力もものすごくかかるらしく美味しく作ろうとするとやはり長年の職人さんのスキルが必要らしい。
あのハムにぐるぐる巻いてある紐も手作業で巻こうとするとかなり難しいらしく鎌倉ハム富岡商会の工場でもそれが出来る人は3人だけだとか。

なるほどなるほど。
燻製は1日にして成らずってやつだな。
だったら少しでも多くの技術をこの目で盗んでやるぜ!!
道順は段々と加工場の方へ進んでいきます。
(ここから写真の撮影が禁止ゾーンですので文字だけでお楽しみ下さい)

よっしゃ伝統の技!そのスキル盗んだるでー!!
肩で風を切りながらずんずんと奥へ進んでいくとそこは生肉の余分な部分を取り除き掃除するセクションでした。
これがプロの技!?

??
????????
あれれれれー???????
なんだかおっかしいぞぉ、こんなに広い部屋なのに人が全然いないぞぉ?????ろ

藤「あれ?なんかめっちゃ人少なくないですか?まだ午前中だから本気出してないとかですか?」
ガ『実はですね、、、、我々の会社というか燻製業界全体が今の時期1年で1番暇な時なんですよ。ほらお歳暮も終わってお中元までも間があるし、、、それでうちの会社ではこの時期に有給を消化したりするんです。なので工場の半分くらいしか稼働してないんですよ、、、、』
藤「・・・・」

マジでっ!?
知らなかったー燻製業界ってそうなんだ。
そう言われてみればそうかもしれないな。
お歳暮やお中元の贈答用にハムやソーセージ、ベーコン等の需要が高まるのは必然!
よってそれ以外の期間、特に1月から2月にかけては特に暇だろう。
ああああああああ何でそんな単純な所に頭が回らなかったんだ!!燻製業界の業界人の気持ちになったら1巡目に気づく事だろ!!
そりゃ工場もあんまり稼働してないよなぁ、、、、
これは完全にしくじったな。

そこから先は工場があまり稼働してない事に対してガイドさんの申し訳なさそうな平謝りの付録付きで見学するハメに。

ガ『すいません、もうすぐあの機械が動いてウィンナーが奥から出てくるんですけど、、、、もうちょっとかな?』

ガ『今はここも半分も使ってないんですけど繁忙期はフル稼働で人の数ももっと多いんです!』

ガ『もうすぐ、あそこから出来上がったベーコンが出てくるんですよ、、、、、もうすぐ、、、、もうすぐ、、、、』
藤「・・・・」

どうする?どうなる?
鎌倉ハム工場見学ツアー!!
後編へ続く・・・・