藤井孝昌です。

 

春から秋にかけて動物や人を吸血しようとするマダニが潜んでいます。マダニに刺されることで感染症を引き起こす可能性や刺されないようにする対策をご紹介します。

 

マダニは室内には生息せず、野山や森林、河川敷などに生息する大型のダニを指します。大きさは成虫で2~8mmで血を吸って満腹になると10~20mmになります。

マダニが吸血を行うのは幼虫、若虫、成虫の時の1回ずつで、一生の間で3回吸血をします。マダニにとって動物や人の血を吸血することは、成長に必要な栄養源でもあり産卵にも必要な行為です。

 

マダニに刺されると紅斑やかゆみ、大きく腫れることがあります。また、マダニが何らかの病原体を持っていた場合は、日本紅斑熱、Q熱、ライム病などさまざまな感染症を媒介する可能性があります。

 

中でもSFTS(重症熱性血小板減少症候群)は、2011年に中国の研究者から報告された新興感染症で、日本では2013年に初めてSFTS患者が出て以来、毎年10名程度の方が亡くなっています。現時点では有効的な治療法やワクチンがなく、対症療法をして自然な回復を待つしかない状況であり、人の場合の致死率は25~30%となっています。

 

マダニから身を守るためには「刺されない」ことが一番大切なため、野外に行く前後の対策をご紹介します。

野外に行く際には長袖・長ズボン、ズボンの裾を靴下に中に入れる、マダニに効果のある虫よけ剤を使用するなどがあげられます。野外から帰った際も帰宅後すぐにシャワーや入浴をする、体にマダニがいないかチェックするなどがあります。

 

もしマダニに刺されていた場合には、無理に取り除こうとせず医療機関に受診することがおすすめです。