みなさんは住宅の寿命がどれくらいか知っていますか?

 

日本の住宅の平均寿命(耐用年数)は26年とも言われ、おおむね30年で建て替えられているそうです。

 

木造住宅の多いアメリカの60年と比べても短すぎるのが明らかです。

 

30年前後の住宅ローン利用して購入した夢のマイホームが、26年しかもたないというのはとても残念な話ですよね。

 

なぜ、日本の住宅の寿命はこんなにも短いのでしょうか。

 

その原因のひとつとして、結露による木材の腐れが挙げられます。

 

外壁と内壁の中に湿気が入り込み、壁の内部で発生する結露を内部結露と言います。

 

先進国と比べて住宅性能(断熱性・気密性)が低い日本の住宅では、内部結露が発生しやすく、構造材の腐朽や断熱材の劣化のスピードが早まってしまうため、家の耐久性が弱まってしますのです。

 

この内部結露から家を守るには、断熱性の高さが何よりも優先されます。

 

家の断熱性を上げるためには、適切な断熱材を選び、適切に施工することが重要なのです。

 

 


断熱材とは

 

断熱とは熱が伝導、対流、輻射による伝わるのを防ぐことで、断熱材とは熱を伝えないように作られた材料のことをいいます。

 

断熱材とは、熱移動を防ぐための材で、建物の壁や天井、床などに使用されます。

 

「熱を断つ」と書く断熱材。

 

熱の移動を断つことにより、冬は熱が外へ逃げずに暖かい家に、 夏は外からの熱が入らずに涼しい家になり、室内を一定温度に保つ役割を担った、家づくりには欠かせないものなのです。

 


断熱材の種類

 

ひとくちに断熱材と言っても、さまざまな種類があり、建築で使われている断熱材は「繊維系」「発泡プラスチック系」「天然素材系」の3つに分けられます。

 

◇ 繊維系
繊維系断熱材は、細かな繊維の隙間に空気を保持することによって、断熱性を確保しています。


繊維系断熱材には「無機系」と「木質繊維系」があり、「無機系」の「グラスウール」はガラスを
「ロックウール」は玄武岩や鉄鋼スラグなどの鉱物から作られます。


「木質繊維系」には、新聞紙などの古紙を再利用した繊維から作られた「セルロースファイバー」や、廃木材チップをボード状に成形した「インシュレーションボード」など、人や環境に優しい断熱材があります。

 

 

◇ 発泡プラスチック系
発泡プラスチック系断熱材は、さまざまなプラスチックを発泡させて製造され、気泡の中に閉じ込めた空気の断熱性能を利用しています。


最も多く使われるポリスチレンは製造方法の違いによって、連続発泡させて作る「押し出し発泡ポリスチレン」と、粒状のポリスチレンを発泡させ金型で成形する「ビーズ法ポリスチレン」の2種類があります。


「ウレタンフォーム」には、工場で発泡された板状のものと、現場で吹き付け発泡するタイプの商品があります。


その他には、ポリエチレン樹脂に発泡剤を加えて発泡させた「高発泡ポリエチレン」や、プラスチックでありながら熱に強くて燃えにくい樹脂から作られる「フェノールフォーム」があります。

 

 

◇ 天然素材系
「羊毛」や「炭化コルク」など、無添加の自然素材を利用した、環境や人体に優しい断熱材です。

 

 

断熱は施工精度が大事

 

断熱材を施工する上で最も重要なのは、隙間なく施工することです。

 

いくら断熱材の性能が良くても、隙間ができてしまうとそこから熱が逃げてしまい、十分な断熱効果を得ることができないばかりか、構造体が腐ってしまったり断熱材にカビが発生したりしてしまいます。

 

断熱材同士のつなぎ目や配管やコンセントなどの他部材が接触している部分、床と壁や壁と天井などの取合部、間仕切り部分の上下は隙間ができやすい箇所なので要注意です。

 

 

 

壁の内側に入っていて、日常では目にすることがない断熱材ですが、暮らしやすく長持ちする家にするためにはとても重要な役割を持っています。

 

家づくりの際には、自分の家にどんな断熱材が使われるのか、しっかりと施工してもらえそうか、着目してみてくださいね。

 

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株式会社 藤原木材産業
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