宝塚を観始めた頃、TMP音楽祭で「私は夢を売るフェアリー♪」という歌を聞いて「夢を届けるんじゃなくて、売るんだ」とビックリしつつ、商売っ気が面白いなと思ったことを覚えています。

 

宝塚でパワハラや超過労働なんて聞きたくなかったけど「夢を売る」商売と考えれば、たくさん夢を売るためにブラック気味になってしまうのも自然だったのかもしれません。

 

パワハラの加害者に制裁を!という向きもありますが、個人的には既に制裁受けたも同然と思っています。

公演できないだけで制裁かと言われてしまうかもしれませんが、普通に宝塚ファンは加害者の芸名も本名も知ってるし。

もし宙組公演が上演されれば厳しい目も向けられることでしょう。

それで十分ではないのかもしれませんが、一般企業で同じようなことが起きた時と比較して軽いとも思えない。

 

宝塚は劇団員を「生徒」と呼んでいるが、彼女たちは良い大人で、大人として責任を取らせたいという意見もわかります。

でも私は「生徒」の幼稚性というかいつまでも俗世と切り離された世界にいることが「妖精」っぽさに繋がっている気がして。

彼女たちが大人にならないように、世間ずれしないように望んでいたのかもしれないと思うと、彼女たちだけを責められないという気持ちになってしまう。

本当は是々非々で、良いことと悪いことを分けて考えないといけないんでしょうけど。

 

そして受験生が減少し、振付家の方も今後宝塚と仕事はしない。

この流れは今年だけでなく、今後もじわじわ広がっていくでしょう。

ファンだっていつまでも宝塚の観劇を続けていくという保証はない。

 

これからも「タカラジェンヌに栄光あれ」というのであれば、売るものは夢でなく芸に、そしてタカラジェンヌはフェアリーではなく等身大の女性として見守らないといけないのかな…などこの2~3日考えていました。