無事に観劇できました。
なんと言ったら良いか…とにかく感動しました。
29年前に大好きだった作品で、今の花組で再演したらどうなるんだろう…再演はガッカリすることも多いから期待し過ぎないようにと観劇しましたが。
懐かしくはあるけど新しい「二人だけの戦場」としてすっと物語の世界観に入れました。
ティエリー役の柚香光
久々に屈託のない青年役が眩しかった。
光ちゃんは綺麗なせいか耽美だったり退廃的だったり生きづらそうな役が多かったけど、こういう正統派の健康的な役も良いですね。
優秀な成績を収めて自分なりの夢や理想を語って恋をして…本当に眩しいくらい青春な青年士官が厳しい試練に真っすぐ立ち向かう。
その姿に涙が出てしまいました。
惜しむらくはラストシーンかな。笑顔が華やか過ぎた。
この場面は未来への希望が見えつつも失った時間に対するどうしようもできない悔いが見える方が良かったかな。
まあここら辺は好みの範疇かもしれない。
光ちゃんのティエリーは厳しい現実にも一筋の希望を忘れないポジティブ人間なんだなと強く印象に残りました。
ライラ役の星風まどか
正直言ってライラには落ち着きすぎているのでは?と心配していましたが、そんな心配は杞憂でした。
一人で生きていける強い女性でありつつ、いじらしくて放っておきたくないというアンバランスな魅力があるライラでした。
クリフォード役の永久輝せあ
本当にいい友達だわ。男の友情を感じた。光ちゃんとひとこの並びも美目麗しくて眼福。
ひとこは口跡が良い。裁判シーンの膨大のセリフも感情が乗っているのに聞き取りやすいのが素晴らしい。
アルヴァ役の希波らいと
2幕のティエリーとのやり取りは良かったけどそれ以外の印象が薄い。
こういうハングリー精神が必要な役を演じるには芸風が大らかなのが惜しい。
ダンスは悪くないけどリフトは少し難しかったかな。ここは初演と変えても良かったのかも…
ノヴァロ役の綺城ひか理
星組から戻ってきたあかさん。昔より熱く、芸風に厚みが出てきた感じがある。
こういうアクの強い役も上手い。
初演に比べるとインテリ度が上がっている分、最後の仕返しが裁判というのに説得力があった気がする。
ハウザー大佐の凛城きら
ここのところ正塚先生の作品にりんきらが良く出ているけど、今回も役をものにしてた。
飄々としていて物事の本質をついているのに理解されにくい人。
味方よりも敵に理解されてしまう不思議な人を、説得力を持って演じていて…良かった。
シュトロゼックの高翔みず希
元花組組長なので全体をひっぱるお父さん的なポジションはお手の物だけどさお太さんはどっちかというと冷静な感じが多かったから血の気の多いおじさんは割と新鮮だったかも。
終盤のハウザー大佐とのやり取りは引き込まれました。
長くなりそうなのでこの辺でいったん切ります。