次期衆院選で自民党からの出馬要請に「総裁候補」を条件
に挙げた宮崎県の東国原英夫知事（５１）をめぐり、
一夜明けた２４日、自民党内がまだ揺れている。
出馬要請した古賀誠選対委員長（６８）に批判が集中し、丸山
和也参院議員（６３）が抗議の直談判を行った。
当の東国原知事は「至って真剣」と述べ、「総裁候補」要求は譲
らない構え。
党内からのブーイングには「批判する人こそ、下野して頭を冷や
すべき」と応戦した。
「総裁候補」「地方分権の推進」の確約を出馬条件に求められ、
東国原知事に足元を見られた形の自民党。
一夜明け、批判の矛先は騒動を招いた張本人にも向かい始めた。
公然と火の手が上がったのが２４日午前の参院議員総会。
丸山和也議員が「バカバカしい。
党にエネルギーがないから『力を貸して』と言うこと自体が既に敗北。
情けない。
古賀氏の責任を追及すべき。
即刻辞任してもらっていい」とほえた。
出席者から「そうだ」と同調する声も出た。
怒りが収まらないのか丸山氏は午後には党本部で帰京した古賀氏
に直談判。
約２０分にわたり、選挙目当てととられかねない知事へのアプローチ
の手法を批判した。
古賀氏は「そうかもしれない」と同意したという。
面前では辞任要求までしなかったが、「古賀さんは
『いろんな責任の取り方を考えている』
と言っていた」と語った。
それでも“コワモテ”の選挙責任者の振る舞いに批判の声は相次ぎ、
山本一太参院議員は「古賀氏とは思えない軽率な行動だ。
自民党はそこまで困っているのか」と述べた。
鳩山邦夫前総務相も「自民党がなめられたというか、（知事に）足元
を見透かされた感じがする」と憤慨した。
騒動直後から渦巻く東国原知事と古賀氏へのブーイングに、細田博之
幹事長は出馬要請を党の決定事項との見方を否定し、火消しに努めた。
「選対委員長として、いろんな可能性を踏まえて話をしたと思う」と古賀氏
を擁護。
知事の総裁候補要求には「ジョークだと思わない人はいない。
出馬の可能性がないということを言うために、そう言ったと思う」と述べた。
古賀氏は２４日夕、党内で波紋を広げ続ける知事への出馬要請に「選対
委員長の仕事はできるだけ広く、選挙に戦える人材をお願いするのも大
きな責任。何の後悔もない」
と言い切った。
総裁候補要求に関し「知事は総裁を目指して頑張るという気持ちで言った
と思う」と語った。
条件確約を求める知事との温度差を示したが、出馬の感触について
「知事が意欲を示したことは（可能性は）ゼロではないのかと」
と述べた。
古賀氏周辺は「近々結論が出る」と出馬の手応えを感じている様子。
東国原知事には来月５日投開票の静岡県知事選の応援も要請中だ。
波紋が広がる出馬騒動。
古賀氏の立ち居振る舞いは次期衆院選への自民党の焦りを象徴した
と言えそうだ。
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