短編小説 真夏のトライアングル
作:NaNa
★37
リツは、幼馴染の優真に誘われ、中学卒業と同時に上京してバンド活動を本格的に始めたこと、優真は親友であり家族のようだけど、人見知りの激しい自分とは正反対の性格だということ、リツは旋律の律と書くのだということを話した。
「メロディを生む人だね。ぴったりの名前」私は言った。
「カノンと旋律。いい音楽が生まれそうな組み合わせ」うっとりするような柔らかい声で律が言った。
私たちは、星が消える瞬間を見届けようと、しばらく並んで空を仰いだ。
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