おそらくしばらくは帰れない
この家について
ママもパパもあまねくんも今後会えるからいいけど
うちにあるテレビとこたつとソファも
ベッドと布団とクッション
椅子と机と、FAXがほとんど使えない電話
うるさい冷蔵庫
紺色のトイレとトイレの壁のタイル
窓際の日に焼けたフローリング
部屋にあるピンクのコンポ、像の柄のロールカーテン
これが当たり前にあるのに
明日にはすぐ帰れないところにあるのか、と思うと悲しくなります
たまに夢で家が出てきたり
夜中起きてトイレに行く時、部屋は左なのに寝ぼけて大牟田の家の感覚で右に足を踏み出してしまったとき
ああ、ここは東京だった
と思うことが言葉で言い表せないさみしさを感じさせます
なぜかそれが一番わたしは今一人で暮らしているのだと実感させます
そんなとき
大牟田のお風呂にある小さな窓を思い出します
私は換気するためにその窓を開け、
その窓から見える小さな景色を見て
東京にいきたいと願いました
しょぼいながらも
そこから
信号、灯り、伸びる道路、低いビルを見て
そして夏のぬるい風、冬の冷たい風を感じながら
憧れを馳せました
昔の凝縮した想いを鮮明に思い出させるその記憶は今のわたしがそこにいることを何よりも説明することができます
別に東京にいるのは大したことじゃないし
もういいやって一年後またここにいるかもしれないけど
あの頃のわたしが呆れるような未来を作りたくないと、改めて思いました
素敵な人生を歩めるように
せめて今年がんばろうと思います
シェケナベイベー
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