藤田拓也のブログ

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ベース関連のあれこれ

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今回はTal WilkenfeldのCause we've ended loversでのベースソロを解析したいと思います。

 

【Tal Wilkenfeldについて】
日本ではタルちゃんの愛称で親しまれていますね。
1986年生まれ。
オーストラリア シドニー出身。
ノーブラがとても刺激的。
14歳でギターを始め、17歳でベースに転向。
チック・コリア、ハービー・ハンコックとの共演で一躍有名になる。
2007年よりジェフ・ベックのレギュラーベーシストとなる。

 

このソロが弾かれてるライブも2007年のようなので、ベース歴4年そこそこの21歳でこの酸いも甘いも経験したような饒舌なソロを弾いてた事になります。
ちょっと意味わからないですよね~笑

 

そして僕がコピーした動画。

後から気に入らなくなり、演奏と動画は別テイクになってますが、、、

 


それでは幾つかのポイントに分けて、大まかに解説してみたいと思います!

 

TAB譜はこちらからどうぞ!

Cause we've ended lovers/Tal Wilkenfeld TAB譜


【コード進行】
key=E♭
Cm7(Ⅵm7)  A♭M7(ⅣM7)  Fm7(Ⅱm7)  G7♭9(Ⅲ7♭9)
の繰り返しです。

※この曲のキーはCマイナーキーですが、ここでは平行調のE♭キーでディグリーネームを表記してます。
こちらの方が分かりやすいので。

他にこの進行が使われている曲はリーリトナーのNight Rythms等がありますね。


smooth jazz的なお洒落なサウンドのコード進行ですね。

【スケール】
主に使用されるスケールは以下の3つになります。
・Cマイナーペンタトニックスケール
・Gハーモニックマイナーパーフェクト5thビロウ(hmp5↓)
・Gコンビネーション・オブ・ディミニッシュスケール

Cマイナーペンタトニックスケールを基調に、G7♭9上でGhmp5↓、Gコンビネーション・オブ・ディミニッシュスケールが使われてます。

【アーティキュレーションについて】
このソロは非常にアーティキュレーション豊かに表現されており、
・スライドビブラート
・スライド
・トリル
・グリス
・ハンマリング
・プリング 
と左手の様々なテクニックを駆使して感情的に表現されてます。

特にこのソロで重要になってくるのは「スライドビブラート」ですね。
コツとしては左手親指をネックから少し浮かせ動かしやすくし、フレットを跨いで大胆にスライドし往復させる事です。
ネックをギュッと握りこんだり、力んでしまうと素早くスライドが出来ません。

【ソロの内容について】
次にこのソロで特に美味しいと感じたポイントについて触れてみます。

◆最初の7小節まではCマイナーペンタトニックスケールによるモチーフデベロップメント(同じフレーズの「モチーフ」を作り、繰り返して少しづつ発展させるアドリブの常套句的な手法)を用いたフレーズになってます。
それによって8小節目のG7b9上に突然出てくる三度の音(Bの音)がより引き立っています。
このBの音がG7b9上で最も美味しい特徴的な音で、このソロでも度々出てきます。
こういった美味しい音を理解し、上手に活用する事がソロを弾く上でとても重要になってきますね!


◆23~24小節目では、このソロの起承転結の「転」とも言える、特徴的なフレーズがあります。
Gコンビネーション・オブ・ディミニッシュスケールによるフレーズで、特徴的なフレーズの割り方をされており、2小節に渡り16分音符で「6+6+6+5+5+4」と割られてます。

タルちゃんはここで見事に盛り上げてますね!

 

後半の5+5+4に割られている箇所はコンビネーションオブディミニッシュスケールの音ではなくなり、次のCm7に向かうように、Adim/A#dim/Bdimとディミニッシュの下降フレーズを半音ずつ上昇させた物と解釈します。


またコンビネーションオブディミニッシュスケールの性質上、運指が規則性のある物になっており、そのサウンドも機械的な独特の雰囲気を持ってます。

コンビネーション・オブ・ディミニッシュスケール

※今回使われてる音は分かりやすいよう赤字にしてみました。


【Tal Wilkenfeldの使用機材】
・ベース
Sadowsky
Tal Wilkenfeldのシグネイチャーモデル。
アッシュボディ、メイプルネック、メイプル指板のアクティブ仕様。 

・アンプ
EBS
型番までは確認できませんでしたが、ヘッド、キャビネットともにEBSを使用。

この組み合わせはマーカスミラーを彷彿させますね。
(マーカスの有名なFenderのベースはSadowskyによってアクティブに改造されていますしね!)
Sadowskyと言えばドンシャリ系のNYサウンドが特徴的ですが、ハイが立つことによりスライドビブラートした際のフレットノイズが目立ち、逆にそれがセクシーなサウンドをより一層際立たせてるように感じます。

【まとめ】
情報量が多いソロのため、要所要所のポイントをいくつかピックアップしての解説となりましたが、如何でしたでしょうか?

ここまでハイレベルなアドリブを弾けるようになるのは、非常に困難な道のりですが、解析していくと少しずつ見えてくる物があるかと思います!
個人的にはタルちゃんもそれなりにフレーズを仕込んでライブに挑んだのでは、、、と思います。思いたいです、、、笑

僕にとっても憧れのソロの1つでしたので、解析して見えることもあり非常に面白かったです!

またレッスンではこれからアドリブソロを弾いてみたい!という方にも分かりやすいよう、もっともっと噛み砕いた解説、さらに踏み込んだ解説も致します!
是非気軽にご相談下さい!
 

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