8年前、日経メディカルというサイトに掲載された、

「心臓を取るか、肝臓を取るか、それが問題だ!」

という記事。

瀕死に近い状態の痩せ姫が、

こんなふうに描写されている。

 

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中性脂肪が3mg/dL! 驚くべき数値だった。機械が故障したのか、それとも試薬がおかしいのかと疑うようなレベルである。しかし故障ではなかった。患者さんの手は駆血帯の金具よりも幅が狭く、真っ白い顔は息をすることさえ億劫に見えた。ストレッチャー上に横たわる体躯から、上背の高さを感じさせ、健康だったらさぞかしスラリとした美人だろうと思わせる雰囲気があった。しかし現実は、20歳そこそことは思えないほど張りのないカサカサした皮膚が、まるで骨格に直に貼りついているかのようだ。腹部は臓器が全部入っているのが信じられないくらいに細く薄い。
体重27kgという情報だが、本当はもっと少ないのではと感じさせるほどの危機感をまとって、その女性は入院してきた。AST、ALTなどの肝機能検査値は4桁。ヘモグロビンは7g/dLを切っている。データだけを見ると瀕死に近い。肝機能障害、低カリウム血症、低無機リン血症、汎血球減少で、徐脈。摂食障害患者のデータは数えきれないほど見てきたが、それでも焦るくらい最初の状態が悪かった。

 

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このあと、心臓と肝臓のどちらを優先して治療するか、

というタイトルの意味が明かされ、

そこまでは会員登録なしで読むことができる。

その先のこと(患者がどうなったか)については、

読めないわけだが、このブログ的には、

瀕死に近い痩せ姫がどういう状態にあるのか、

ということが医師によって書かれた貴重な文章なので、

紹介してみた。