10年前の4月、どんなことを書いてたかなと思い、

記事リストをさかのぼってみたら――。

「拒食症とモデルの距離あるいは境界」
という記事が目に留まった。
そんなに長くないので、そのまま引用してみる。

 

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ツイッター経由で見つけたニュース。
スウェーデンの摂食障害治療施設の周辺で、モデルのスカウトが拒食症女性を待ち伏せ、モデルにならないか、と声をかけていたという。
同ニュースを扱った別記事には、BMI14くらいの女性もいた、とあり、なるほど、それくらいの体型で実際にモデルをやってる人はいそうだ。
そういえば「鏡の中の孤独」(レベンクロン)のなかに、ケサが街でディアドレを見かけ、モデルとしてスカウトされそうだ、と感じる場面があった気がする。
このニュースのようなケース、さすがに日本ではなさそうだけど。
拒食症とモデルの距離って、意外と近くて、その境界も曖昧だ、ということを、このニュースは示しているのかもしれない。

 

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この記事を読み返しながら、ふと思い出したのが、

20代初めに痩せ姫だった人のこんな回想だ。

 

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一番ガリガリだった時の私の体は、168cmで、35キロ。
まさに骸骨!
でも、当時は嬉しかった。
洋服を試着してXSサイズのスキニージーンズが難なく入るとニマニマほくそ笑む。
「凄く痩せているよね」これが最大の褒め言葉。
就活の時、私に合うサイズが無かった。
168cmで35キロなんて、想定されていないから合うサイズがないんです。
一番細いサイズで、スボンの裾を最大限出してもらっていました。それも、なんだか嬉しかった。
腕輪をつければ二の腕まで通っちゃうものがあったり。 
骨盤の形が分かるくらい、体じゅうの骨が見え始めると、それもまた嬉しかった。
表参道を歩くと、ガリガリなのでモデルスカウトの声が多くなりました。

 

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また、別の元・痩せ姫も似たことを書いてる。

拒食症と診断され、

「これ以上体重が減れば、入院」

と言われていた14歳の頃の話だ。

 

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その頃、友人と繁華街に行けば芸能事務所などからスカウトされるようになった。

 

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このふたりに限らず、こういう話をちらほら見聞きする。

この10年間で、モデルと拒食症の距離はさらに縮まり、

その境界もますます曖昧になってるのかもしれないな。