夏休みに東京へ行ったとき、
泊まったホテルの近くで見かけた女の子ふたりづれ。
ひとりはいかにも健康的な細さで、
身長が165センチくらいだとしたら、
体重は50キロちょっとくらいの、
いわゆるスタイルのいい子だった。
夏だからちょっと日焼けもしていて、
笑顔も明るくて、男の子にも好かれそうで。
でも、もうひとりは対照的。
身長は10センチ以上低い感じで、体重はそれこそ、
絶対30キロないだろうなという痩せすぎな子だった。
どちらもたぶん高校生で同じ制服だったのだけど、
体型の差がありすぎるから、
サイズが違うどころか、別の服を着てるみたい。
笑い方も淋しそうだった。
とはいえ、あれくらい痩せてる子なら、
入院してたときにも見てる。
何より目を奪われたのは、その肌の白さ。
真夏で、36℃くらいあって、
アスファルトの照り返しとかで焦げつきそうな日だったのに、
顔も手も脚も真っ白で、雪のようだった。
まるで、その子が特別な魔力の持ち主で、
降り注ぐ日差しをすべて弾き返してるかのように。
勝手な想像だけど、あの子は排出型ではなく、
制限型なんじゃないかな。
きっと、特別な魔力で、食欲も抑え込み、
体に入ろうとする食べ物なんかも弾き返しているんだ。
あれから3ヶ月、あの子のことを思い出すたび、
自分の中途半端な細さや白さがイヤになる。
自分が特別じゃないんだって、実感させられる。
あの子は今、
もっと白く、そして細くなってるのかな。
真冬が来たら、雪のように消えてしまいそうだ。