アンゼルムを知らずに、彼のコンセプトに、ただならぬ妖気を下記の作品紹介を読んで訪ねてみた。
それと、ヴェンダース監督の昨年の作品に落胆して本ちゃんの本気の映像確認のため鑑賞した訳だ。
正に、芸術家が芸術家を語り紹介し合うその尊厳の響きに感銘を受けるしかない。
そして思い出した。
アンゼルム?そうか彼のあの作品なら国立国際美術館で何度か鑑賞したことがあった。
映画にも出てきたあのモチーフだ。
星降る暗黒の天空を見上げ、大地に横たわる男。
あの静寂感、孤独感、孤高感は印象的だった。
ビルの壁面ほどに大きなキャンバスに色々なものを焼き付ける痛々しく暴力的な画法による作品群の荒廃感は、
アートはゴミだなぁ
まあ、彼ら二人がまだ存命している最中にこの映画を鑑賞出来たことは何より意義があった。
本作は『PERFECT DAYS』が出品された第76回カンヌ国際映画祭で、
ヴィム・ヴェンダース監督作品として2作同時にプレミア上映された。
この2作を鑑賞してこそ、監督の芸術論に近づけることが分かると言うものだ。
納得、そらそうだ。納得。
(^O^)
アンゼルム “傷ついた世界”の芸術家
ドイツの名匠ヴィム・ヴェンダースが、戦後ドイツを代表する芸術家アンゼルム・キーファーの生涯と現在を追ったドキュメンタリー。
ヴェンダース監督と同じ1945年にドイツに生まれたアンゼルム・キーファーは、ナチスや戦争、神話を題材に、絵画、彫刻、建築など多彩な表現で作品を創造してきた。
初期の創作活動では、ナチスの暗い歴史から目を背けようとする世論に反してナチス式の敬礼を揶揄する作品をつくるなどタブーに挑み、美術界から反発を受けながらも注目を集めた。
71年からはフランスに拠点を移し、藁や生地を素材に歴史や哲学、詩、聖書の世界を創作。作品を通して戦後ドイツと「死」に向き合い、傷ついたものへの鎮魂を捧げ続けている。
ヴェンダース監督が2年の歳月をかけて完成させた本作は、3D&6Kで撮影を行い、絵画や建築が目の前に存在するかのような奥行きのある映像を表現している。
アンゼルム・キーファー本人が出演するほか、再現ドラマとして息子ダニエル・キーファーが父の青年期を演じ、幼少期をヴェンダース監督の孫甥(兄弟姉妹の孫にあたる男性)アントン・ベンダースが演じる。
本作は『PERFECT DAYS』が出品された第76回カンヌ国際映画祭で、
ヴィム・ヴェンダース監督作品として2作同時にプレミア上映された。