敗戦後、女性は強くなり男性は社畜と化した。

画一化した画面に、単一な日常が軽妙に展開され、
その不満や鬱屈が吹き溜まり、
時として人生の波乱の一つとして同化して行く。

それを俯瞰して見てみると人生は空ぞしくも在りながら凡庸と承知して行くことが敗戦直後からの教訓なのかも知れない。



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通勤電車で顔なじみの丸の内勤めの男女が織りなす哀歓に満ちた人間模様。

一児を亡くしてから妻との関係に隙間風が吹く杉山(池辺良)とそんな彼を愛する現代娘(岸惠子)の不倫を主軸に、
戦後10年が過ぎたころのサラリーマンや若者の心情を、
小津安二郎監督は活写している。



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早春(1956)
劇場公開日:1956年1月29日 144分

「東京物語」のコンビ、野田高梧と小津安二郎が脚本を書き、
同じく小津安二郎が監督、
「水郷哀話 娘船頭さん」の厚田雄春が撮影を担当した。

主なる出演者は「乱菊物語」の池部良、
「チャッカリ夫人とウッカリ夫人 (夫婦御円満の巻)」の淡島千景、
「君美しく」の高橋貞二、
「白い橋」の岸恵子、
「若き潮」の笠智衆、田浦正巳、
「彼奴を逃すな」の宮口精二(文学座)、
随筆家の菅原通済など。

早春(1956)
劇場公開日:1956年1月29日 144分

シネ・ヌーヴォ(九条)