外国人監督には微細な日本人の心を写し出すのは難しいだろうことが見える。

何といっても役所さんの顔がデカい!
あの派手で彫りの深い顔は外人だわ。
しかも、カメラがより過ぎだなぁ


そして全ての所作に日本的ミニマリストしての心在らずで忙しない。


でも、唯一楽しめたのは、
三浦友和と影を重ねると濃くなるのか?
の問いに、
西洋絵画と日本画と墨絵の謎々を影踏みで戯れたところは愉快だった。

ならば、
肝心の木漏れ日や早朝の空気、
朝日に雲間の陽光のいい情景があってもいいようだが、
ターナー以下の景色しか映し出せないのは残念だ。


そして、あのカセットテープで昭和アナログを懐かしむのは良いが、
選曲と音量バランスが映像を更に酸化するようで、
なくてもいいのではない?


それに、
モノクロで映写した方が良かったのではないか!?

 
まあ、こんな不気味で違和感は、
全編に鎮座するあの新東京タワーに奇妙なトイレ群が、
時代の変遷を色濃く感じさせ象徴的ではあった。


敢えて言えば、
寡黙で大人しく、
兎小屋で盆栽いじりして、
薄ら笑いしている奇妙な日本人をよく撮っていた。

日本人らしくない人を、
日本人でない人が、
日本的撮ってみたということかな!?



( ̄∀ ̄)







PERFECT DAYS


「パリ、テキサス」「ベルリン・天使の詩」などで知られるドイツの名匠ビム・ベンダースが、
役所広司を主演に迎え、東京・渋谷を舞台にトイレの清掃員の男が送る日々の小さな揺らぎを描いたドラマ。

2023年・第76回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品され、
役所が日本人俳優としては「誰も知らない」の柳楽優弥以来19年ぶり2人目となる男優賞を受賞した。


東京・渋谷でトイレの清掃員として働く平山。
淡々とした同じ毎日を繰り返しているようにみえるが、彼にとって日々は常に新鮮な小さな喜びに満ちている。
昔から聴き続けている音楽と、
休日のたびに買う古本の文庫を読むことが楽しみであり、
人生は風に揺れる木のようでもあった。

そして木が好きな平山は、いつも小さなフィルムカメラを持ち歩き、自身を重ねるかのように木々の写真を撮っていた。
そんなある日、思いがけない再会を果たしたことをきっかけに、彼の過去に少しずつ光が当たっていく。

東京・渋谷区内17カ所の公共トイレを、
世界的な建築家やクリエイターが改修する「THE TOKYO TOILET プロジェクト」に賛同したベンダースが、
東京、渋谷の街、そして同プロジェクトで改修された公共トイレを舞台に描いた。

共演に新人・中野有紗のほか、田中泯、柄本時生、石川さゆり、三浦友和ら。
カンヌ国際映画祭では男優賞とあわせ、キリスト教関連の団体から、人間の内面を豊かに描いた作品に贈られるエキュメニカル審査員賞も受賞した。